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国立文楽劇場 令和五年四月公演(四月二十一日) その1
第二部「妹背山婦女庭訓」 三段目
コロナ禍も漸く下火となり、街にも活気が戻って来ました。劇場も前方には物馴れた見巧者、聴き巧者が戻って来られた様で、期待感があり、柝の音が待たれました。
☆太宰館の段
睦太夫
「奈良の都の八重九重‥」は久々に安定しており、ほっとしました。この人は大音強声で、聴きやすく迫力もあるので、「太宰館」の入鹿の詞など期待出来るのです。
しかし大判事と定高の対峙は詞の明快さはあるものの、緊迫感無く平板で、やがて詞と地の区別も曖昧になって行きました。全て旋律が無く、リズムも弱いので、大判事と定高の区別も消えてしまいます。折角期待していた入鹿も「ヤアとぼけな。」に畏怖を感じさせるだけの凄味が無く、平凡でした。
但し「ハハハハイヤ巧んだり拵へたり。」には渾身の力が籠り、睦太夫の聴かせ所となって、やはりほっとしました。しかし見物聴衆が「ほっとする」ようでは困るのであって、今後は聴衆を浄瑠璃の波に乗せる事が出来るように、自身の声を自らよく聴いて、コントロールして欲しいものです。しかしその前に浄瑠璃の波に自らが乗らねばならないのですが。
勝平の三味線は睦を「波」に乗せようと、奮闘していました。
人形について言えば、舞台は広く、人形は小さかった。巨悪を具現する入鹿は「現実」の空間を完全掌握する程大なる存在である筈なのですが。
さて「ヤアヤア弥藤次‥百里照の目鏡をもつて‥きつと遠見を仕れ。」と言う入鹿の詞は、次の「山の段」を規定する重要な詞なのですが、睦は判っていたでしょうか。
千秋 2023/04/27(Thu) 21:34
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319]
四月公演評
巧遅にはならぬが故に拙速を良とす。
勘定場 2023/04/11(Tue) 18:17
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318]
補完計画増補
《 其ノ百 日本学術振興会 科学研究助成費交付研究 成果公表等論文 》
「美声家竹本越登太夫の義太夫節レコード ―「サワリレコード」と「鴻池依嘱盤」の分析から―」
(『演劇学論叢』第二十二号(二〇二三・三))
勘定場 2023/04/04(Tue) 16:34
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317]
情報資料室更新
トップページのリンクから。
いずれも立ち止まって読み続けられるものと存じます。
勘定場 2023/04/01(Sat) 18:21
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316]
肆月
爛漫の春も早散り初め、
この後は落花微塵となるのみであるが、
それも桜であると鷹揚に空の波を仰ぐことこそ肝要。
秋の心を春にも重ねてみたくなるのは、
自然の勢いであるのだから。
勘定場 2023/04/01(Sat) 18:20
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315]
続々・増補
『太棹』との確執を詳細に【研究】で辿っております。
これにて全容がより明確に理解いただけると存じます。
勘定場 2023/03/03(Fri) 22:09
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314]
『鴻池幸武文楽批評集成』続・増補
備考に大幅な増補をいたしました。
PDFや画像へのリンクも加え、
参照に便宜を図っております。
勘定場 2023/03/03(Fri) 11:57
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313]
参月
情報資料室に佳品二点を収録。
トップページのリンクから、
ここにも春を感じていただけよう。
さて、
五月は久し振りに風薫るはずが臭気漂うことが確定的となり、
今から活性炭を用意して置かねばならない。
無知の無知が招く心労は斯くの如しである。
勘定場 2023/03/01(Wed) 15:38
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312]
『鴻池幸武文楽批評集成』再増補
「『競伊勢物語』に就きて」に備考を加えました。
勘定場 2023/02/13(Mon) 10:55
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311]
『鴻池幸武文楽批評集成』増補
勘定場 2023/02/10(Fri) 09:20
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