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[320] 国立文楽劇場 令和五年四月公演(四月二十一日) その1
第二部「妹背山婦女庭訓」 三段目

 コロナ禍も漸く下火となり、街にも活気が戻って来ました。劇場も前方には物馴れた見巧者、聴き巧者が戻って来られた様で、期待感があり、柝の音が待たれました。



☆太宰館の段
   睦太夫
 「奈良の都の八重九重‥」は久々に安定しており、ほっとしました。この人は大音強声で、聴きやすく迫力もあるので、「太宰館」の入鹿の詞など期待出来るのです。
 しかし大判事と定高の対峙は詞の明快さはあるものの、緊迫感無く平板で、やがて詞と地の区別も曖昧になって行きました。全て旋律が無く、リズムも弱いので、大判事と定高の区別も消えてしまいます。折角期待していた入鹿も「ヤアとぼけな。」に畏怖を感じさせるだけの凄味が無く、平凡でした。
 但し「ハハハハイヤ巧んだり拵へたり。」には渾身の力が籠り、睦太夫の聴かせ所となって、やはりほっとしました。しかし見物聴衆が「ほっとする」ようでは困るのであって、今後は聴衆を浄瑠璃の波に乗せる事が出来るように、自身の声を自らよく聴いて、コントロールして欲しいものです。しかしその前に浄瑠璃の波に自らが乗らねばならないのですが。
 勝平の三味線は睦を「波」に乗せようと、奮闘していました。

 人形について言えば、舞台は広く、人形は小さかった。巨悪を具現する入鹿は「現実」の空間を完全掌握する程大なる存在である筈なのですが。

 さて「ヤアヤア弥藤次‥百里照の目鏡をもつて‥きつと遠見を仕れ。」と言う入鹿の詞は、次の「山の段」を規定する重要な詞なのですが、睦は判っていたでしょうか。
千秋 2023/04/27(Thu) 21:34 | 返信 | 削除 |
[319] 四月公演評
巧遅にはならぬが故に拙速を良とす。
勘定場 2023/04/11(Tue) 18:17 | 返信 | 削除 |
[318] 補完計画増補
《 其ノ百 日本学術振興会 科学研究助成費交付研究 成果公表等論文 》
「美声家竹本越登太夫の義太夫節レコード ―「サワリレコード」と「鴻池依嘱盤」の分析から―」
(『演劇学論叢』第二十二号(二〇二三・三))
勘定場 2023/04/04(Tue) 16:34 | 返信 | 削除 |
[317] 情報資料室更新
トップページのリンクから。
いずれも立ち止まって読み続けられるものと存じます。
勘定場 2023/04/01(Sat) 18:21 | 返信 | 削除 |
[316] 肆月
爛漫の春も早散り初め、
この後は落花微塵となるのみであるが、
それも桜であると鷹揚に空の波を仰ぐことこそ肝要。
秋の心を春にも重ねてみたくなるのは、
自然の勢いであるのだから。
勘定場 2023/04/01(Sat) 18:20 | 返信 | 削除 |
[315] 続々・増補
『太棹』との確執を詳細に【研究】で辿っております。
これにて全容がより明確に理解いただけると存じます。
勘定場 2023/03/03(Fri) 22:09 | 返信 | 削除 |
[314] 『鴻池幸武文楽批評集成』続・増補
備考に大幅な増補をいたしました。
PDFや画像へのリンクも加え、
参照に便宜を図っております。
勘定場 2023/03/03(Fri) 11:57 | 返信 | 削除 |
[313] 参月
情報資料室に佳品二点を収録。
トップページのリンクから、
ここにも春を感じていただけよう。

さて、
五月は久し振りに風薫るはずが臭気漂うことが確定的となり、
今から活性炭を用意して置かねばならない。
無知の無知が招く心労は斯くの如しである。
勘定場 2023/03/01(Wed) 15:38 | 返信 | 削除 |
[312] 『鴻池幸武文楽批評集成』再増補
「『競伊勢物語』に就きて」に備考を加えました。
勘定場 2023/02/13(Mon) 10:55 | 返信 | 削除 |
[311] 『鴻池幸武文楽批評集成』増補
鴻池幸武による最初期の批評「『競伊勢物語』に就きて」を収録いたしました。
主題は歌舞伎の劇評でありますが人形浄瑠璃にも言及がございます。
また、
「実父の鴻池善右衛門幸方」についての項目も大幅に加筆しております。
http://www.ongyoku.com/hokan/hokan00.htm
勘定場 2023/02/10(Fri) 09:20 | 返信 | 削除 |

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