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葉月の系譜

大井川:越登=浅造
大井川:土佐=吉兵衛【邦楽百選19650709

美声家、
「ひれふる山の悲しみも」
この節付を見事に語ってこその太夫。
人形も大井川の棒杭で見せ場を作るのだから。
この系譜は大切にしたいものである。
勘定場 2024/08/01(Thu) 17:03 No.81

文月の燻銀

浜松小屋:南部=錦糸19670627NHKR
笑い薬:住=勝太郎19550702QR

「一見地味であるが、実際は力があったり、魅力があったりするもの。」
黄金の輝きは最上だがそれはそれで疲れる。
横綱は至上だが肩か凝ることがある。
燻銀の芸にはまたとない価値があり、
耳にも心にもしみじみと染み入るものである。
勘定場 2024/07/01(Mon) 17:10 No.80

水無月の一期一会

寺子屋:若=重造19620524本牧亭
寺子屋:十九=団六・綱=弥七・春子=松之輔19670219NHKTV朝日座

その場に居合わせてこそ。
熱気が伝わる。
舞台と客席との一体化。
それは今も変わらない、
はずなのであるが・・・
勘定場 2024/06/01(Sat) 10:11 No.79

皐月の十全

大津宿屋:織=錦糸・松右衛門内;伊達路=団六・津=寛治19680811TV
逆櫓:若=綱造19510801放

しっくりきて自然、
満ち足りて堪能、
違和感なく心地よし。
今となってはいかにこれらが至難の技か、
どちらも嘆息するばかりである。
勘定場 2024/05/01(Wed) 08:06 No.78

卯月の重々

市若切腹(前):呂=綱造195109NHK
市若初陣(後):若=重造19660531NHKR

東風元祖の大曲であり、
なかなかの難曲でもある。
かつまた今後半世紀以上の懸隔となろうし、
この襲名披露をよき機会として、
徹底的に聴き重ねておくべきである。
勘定場 2024/04/01(Mon) 16:09 No.77

弥生の予祝

予習とするは烏滸がましきが故に、
予祝として言祝ぎを兼ねた。
半世紀以上に渡り未上演であるならば、
一ヶ月間は耳に馴染ませる必要もあろう。
さすれば目にも浮かぶものがあるはずだ。
勘定場 2024/03/01(Fri) 08:57 No.76

如月の膾炙

酒屋:6土佐=7吉兵衛SP
酒屋:南部=吉弥SP

なますもあぶり肉も口福である。
ゆえに広く人々に愛された。
この酒屋お園のクドキもまた、
耳福そのものであった。
この時代の喜びを感受すべきである。
勘定場 2024/02/01(Thu) 10:15 No.75

睦月の首尾

四条河原:織=藤蔵・堀川猿廻;土佐=吉兵衛団六・若=勝太郎団六【菅権藤19640531TV朝日座
八百屋・火見櫓:越路=喜左衛門【越路喜左衛門簑助19700125NHK3TV

上々という観点ではなく、
端場からそして落合まで、
一貫してこそという意味である。
去年今年貫く棒の如きもの、
浄瑠璃もまた然りであろう。
勘定場 2024/01/01(Mon) 00:00 No.74

拾弐月の継承性

九郎助住家:山城=藤蔵19520109NHKR
綿繰馬:綱=弥七19610717

8ミリで写し取ったよう、
そう言われていたこともあったが、
こうして聴き比べてみると、
学ぶとはまねぶことであって、
本質を継承した上で、
芸はまた個性において開花することがわかる。
勘定場 2023/12/01(Fri) 11:53 No.73

拾壱月の存在感

引窓:相生=重造
袖萩祭文:若=重造[19650603]R

三味線は伴奏ではなく主奏楽器であるとわかっていても、
実際耳にしてそれと実感するのはなかなか困難である。
三業の中で最もわかりにくいとされるのであるが、
これらを聞けば、
その存在感を明確に認識できるのである。
勘定場 2023/11/01(Wed) 16:08 No.72

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