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師走の不動

瓜子姫とあまんじゃく:つばめ=喜左衛門
天満屋:綱=弥七19680708

この世には動かない動かしがたいものが存在する。
他を以ては代え難しとされるものである。
定番という言葉では弱すぎる。
この演目にこの演者こそが、
まさしくそれに値しよう。
勘定場 2024/12/01(Sun) 09:50 No.85

霜月の難物

勘平腹切:古靱=清六3ニットー192107
勘平腹切:綱=弥七19570908TV

忠六に名人なし。
四段目九段目を差し置いてこう言われるのは、
その長さに比してイキを詰んだ浄瑠璃が要求されるからであろう。
今回取り上げた両床は天晴れ名人茲に在りと呼ぶべきもので、
相三味線との呼吸も見事で比類の無い仕上がりとなっている。
(参考:二世古靱太夫・三世清六の「六段目」−音曲の司たる義太夫浄瑠璃音楽の神髄−)
    http://www.ongyoku.com/hokan/hokan2.htm
勘定場 2024/11/01(Fri) 07:54 No.84

神無月の往年

山城芸談酒井裕アナウンサー
寛治芸談山口広一

芸談、
内容の玄妙さはそれとして、
その背景にある時代性が心に響く。
過ぎし世の面影は、
我々の原点であったところを浮かび上がらせる。
勘定場 2024/10/01(Tue) 07:46 No.83

長月の競演

長町裏:相生津=寛治19620728TV
長町裏:住つばめ=勝太郎19560731三越

因会と三和会、
この分裂と対立は確かに不幸な歴史ではあったが、
両者の競演は後の共演に際して十二分な意義があった。
今は一枚岩とはなったものの、
もはや競演などという言葉は二度と現れまい。
勘定場 2024/09/01(Sun) 08:58 No.82

葉月の系譜

大井川:越登=浅造
大井川:土佐=吉兵衛【邦楽百選19650709

美声家、
「ひれふる山の悲しみも」
この節付を見事に語ってこその太夫。
人形も大井川の棒杭で見せ場を作るのだから。
この系譜は大切にしたいものである。
勘定場 2024/08/01(Thu) 17:03 No.81

文月の燻銀

浜松小屋:南部=錦糸19670627NHKR
笑い薬:住=勝太郎19550702QR

「一見地味であるが、実際は力があったり、魅力があったりするもの。」
黄金の輝きは最上だがそれはそれで疲れる。
横綱は至上だが肩か凝ることがある。
燻銀の芸にはまたとない価値があり、
耳にも心にもしみじみと染み入るものである。
勘定場 2024/07/01(Mon) 17:10 No.80

水無月の一期一会

寺子屋:若=重造19620524本牧亭
寺子屋:十九=団六・綱=弥七・春子=松之輔19670219NHKTV朝日座

その場に居合わせてこそ。
熱気が伝わる。
舞台と客席との一体化。
それは今も変わらない、
はずなのであるが・・・
勘定場 2024/06/01(Sat) 10:11 No.79

皐月の十全

大津宿屋:織=錦糸・松右衛門内;伊達路=団六・津=寛治19680811TV
逆櫓:若=綱造19510801放

しっくりきて自然、
満ち足りて堪能、
違和感なく心地よし。
今となってはいかにこれらが至難の技か、
どちらも嘆息するばかりである。
勘定場 2024/05/01(Wed) 08:06 No.78

卯月の重々

市若切腹(前):呂=綱造195109NHK
市若初陣(後):若=重造19660531NHKR

東風元祖の大曲であり、
なかなかの難曲でもある。
かつまた今後半世紀以上の懸隔となろうし、
この襲名披露をよき機会として、
徹底的に聴き重ねておくべきである。
勘定場 2024/04/01(Mon) 16:09 No.77

弥生の予祝

予習とするは烏滸がましきが故に、
予祝として言祝ぎを兼ねた。
半世紀以上に渡り未上演であるならば、
一ヶ月間は耳に馴染ませる必要もあろう。
さすれば目にも浮かぶものがあるはずだ。
勘定場 2024/03/01(Fri) 08:57 No.76

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