飯島番号 | 曲節名 | 段名 | 詞 | 本サイト付番 |
1 | 時代物三段目(西風)のヲクリ | | 「こそは入りにける」 | 001 |
2 | 時代物四段目(東風)のヲクリ | | 「こそは入りにける」 | 002 |
3 | 時代物春太夫のヲクリ | 『本朝廿四孝』十種香 | 「臥所へ行く水の」 | 003 |
4 | 時代物駒太夫のヲクリ | 『祇園祭礼信仰記』上燗屋 | 「連れて走り行く」 | 004 |
5 | 世話物のヲクリ | | 「かまどへさしかかる」 | 005 |
6 | 小ヲクリ | 『仮名手本忠臣蔵』花籠 | 「(かゝる折にも花やかに)奥は」 | 006 |
7 | キンヲクリ | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「さびしき黄昏や」 | 007 |
8 | ウキヲクリ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「長柄の銚子蝶花形。門出を祝ふ熨斗昆布結ぶは」 | 008 |
9 | 網戸ヲクリ | 『楠昔噺』砧拍子 | 「杖を力に老ひの足」 | 009 |
10 | 林清ヲクリ | 『卅三間堂棟由来』平太郎住家 | 「杖は我が子を力草。柳が元へとたどり行く」 | 010 |
11 | ハリヲクリ | 『恋娘昔八丈』城木屋 | 「親の心もそこひ闇。とぼとぼ奥へ入りにける」 | 011 |
12 | ハヅミヲクリ | 『桂川連理柵』帯屋 | 「跡に引添い出来合ひの壺をかぶつた色事師。打ち連れ勝手へ入る後は」 | 012 |
13 | 音頭ヲクリ | 『仮名手本忠臣蔵』一力茶屋 | 「みれんになさで置くべきかと騒ぎに紛れ入(りにける)」 | 013 |
14 | 色ヲクリ | 『加賀見山旧錦絵』長局 | 「仏間へさして日も西」 | 014 |
15 | 中ヲクリ | 『仮名手本忠臣蔵』判官切腹 | 「御乗物に引添ひ引添ひ。御菩提」 | 015 |
16 | フシヲクリ | 『仮名手本忠臣蔵』道行旅路の嫁入 | 「都の(空に志す)」 | 016 |
17 | 相の山ヲクリ | 『紙子仕立両面鑑』大文字屋 | 「胸をさすつて奥の間へ襖」 | 017 |
18 | ヒナヲクリ | 『妹背山婦女庭訓』妹山背山 | 「首取り乗する弘誓の船。あなたの岸より」 | 018 |
19 | 武者ヲクリ | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「呼ばはる声と諸共に。一間へ」 | 019 |
20 | クラサワヲクリ | 『摂州合邦辻』合邦庵室 | 「しんたる夜の道」 | 020 |
21 | 宮戸ヲクリ | 『天網島時雨炬燵』紙屋内 | 「すぐに仏なり」 | 021 |
22 | 三重 | 『増補忠臣蔵』本蔵下屋敷 | 「行く水の(上に流るゝためしなく)」 | 022 |
23 | 上三重 | 『壺坂観音霊験記』壺坂寺 | 「たどり行く(伝え聞く壺坂の)」 | 023 |
24 | 下三重 | 『鎌倉三代記』三浦別れ | 「入相過ぎ(されば風雅の)」 | 024 |
25 | ウレイ三重 | 『仮名手本忠臣蔵』花籠 | 「浮世なれ(塩冶判官閉居によつて)」 | 025 |
26 | ウレイ三重 | 『伊賀越道中双六』千本松原 | 「合す火影は親子の別れ。後に見捨てゝ」 | 026 |
27 | ウレイ三重ガカリ | 『太平記忠臣講釈』喜内住家 | 「笑い顔。しおれ勇んで」 | 027 |
28 | ウレイワリ三重 | 『仮名手本忠臣蔵』山科閑居 | 「一夜ぎり心残して」 | 028 |
29 | キオイ三重 | 『加賀見山旧錦絵』長局 | 「奥の間へ真一文字に」 | 029 |
30 | シコロ三重 | 『伊賀越道中双六』沼津 | 「瀬川に続く池添が足にまかせて慕ひ行く」 | 030 |
31 | 引取三重 | 『仮名手本忠臣蔵』一力茶屋 | 「あかりを照らす障子の内。蔭を隠すや」 | 031 |
32 | サグリ三重 | 『生写朝顔話』宿屋 | 「女の念力。後を慕ふて」 | 032 |
33 | 大三重 | 『菅原伝授手習鑑』道明寺 | 「尽きぬ思ひにせきかぬる。涙の玉の」 | 033 |
34 | 道具返シ三重 | | ―三味線演奏のみ― | 034 |
35 | 鹿踊リ | 『恋娘昔八丈』城木屋 | ―三味線演奏のみ― | 035 |
36 | 鹿踊リ | 『恋女房染分手綱』沓掛村 | ―三味線演奏のみ― | 036 |
37 | 二上リ歌 | 『壺坂観音霊験記』沢市内 | 「夢が(浮世か)」 | 037 |
38 | 三下リ歌 | 『義経千本桜』鮓屋 | 「春は来ねども花咲かす」 | 038 |
39 | ハルフシ | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「相模は障子押し開き」 | 039 |
40 | ハルフシ | 『本朝廿四孝』十種香 | 「艶やかなりしその風情」 | 040 |
41 | ハルフシ | 『菅原伝授手習鑑』佐太村 | 「南無阿弥陀仏と鐘打ちおさめ」 | 041 |
42 | フシハル | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「小太郎ともに奥へ奥へと。若君ともに誘わせ後先見まわし。夫に向い」 | 042 |
43 | フシハル | 『伽羅先代萩』御殿 | 「茶飯釜湯の試みを千松に」 | 043 |
44 | フシハル | 『仮名手本忠臣蔵』一力茶屋 | 「思ひ付いたる延べ鏡。出して写して読み取る文章」 | 044 |
45 | フシオチ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「漸う涙押し止め」 | 045 |
46 | 本フシ | 『天網島時雨炬燵』紙屋内 | 「定規を枕うたた寝のあたる炬燵の小春時」 | 046 |
47 | フシハルカカリ | 『壺坂観音霊験記』壺坂寺 | 「かかる事とはつゆ知らず」 | 047 |
48 | フシハルカカリ | 『加賀見山旧錦絵』長局 | 「聞く辻占にお初はハツと見やる空には一群れの」 | 048 |
49 | オオフシ | 『太平記忠臣講釈』喜内住家 | 「かいて出でたる亡骸に。書き残したる」 | 049 |
50 | 地フシ | 『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛住家 | 「巡礼に御報謝と。言ふも優しき国訛り」 | 050 |
51 | 地フシカカリ | 『卅三間堂棟由来』平太郎住家 | 「早東雲の街道筋」 | 051 |
52 | 地アゲフシ | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「中に一際優れし緋縅」 | 052 |
53 | 地アゲフシ | 『卅三間堂棟由来』平太郎住家 | 「哀れと思し給はれよ」 | 053 |
54 | ウキフシ | 『箱根霊験躄仇討』箱根滝 | 「猫なで声の面憎さ」 | 054 |
55 | ウキフシ | 『花上野誉碑』志度寺 | 「刀を鞘に収めた顔」 | 055 |
56 | ウキフシ | 『恋女房染分手綱』沓掛村 | 「今日は遮二無二に銭受け取ると。上り口に達磨催促」 | 056 |
57 | 中フシ | 『艶容女舞衣』酒屋 | 「園もうぢうぢ手をつかえ」 | 057 |
58 | 中フシ | 『菅原伝授手習鑑』佐太村 | 「御恩も送らず先立つ不孝。御許されて下されい」 | 058 |
59 | 中フシノル | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「悲しやと。口説き嘆かせ給ふにぞ」 | 059 |
60 | 本フシカカリ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「三人は涙押し包み。奥の仏間と湯殿口入るや」 | 060 |
61 | 本フシカカリ | 『壺坂観音霊験記』壺坂寺 | 「声澄みて。いとしんしんと殊勝なる」 | 061 |
62 | ワリ三ツフシ | 『天網島時雨炬燵』紙屋内 | 「内に情けぞこもりける」 | 062 |
63 | ワリ四ツフシ | 『心中天網島』河庄 | 「魂抜けてとぼとぼうかうか身を焦がす」 | 063 |
64 | フシカカリ | 『新版歌祭文』野崎村 | 「五条袈裟。思ひ切つたる目のうちに」 | 064 |
65 | フシカカリ | 『壺坂観音霊験記』壺坂寺 | 「哀れなりける次第なり」 | 065 |
66 | 半太夫ハルフシ | 『楠昔噺』砧拍子 | 「今ここに思い合わせし河内の国」 | 066 |
67 | 春太夫ハルフシ | 『染模様妹背門松』質店 | 「いそいそ帰る辻占を。お染は勇み」 | 067 |
68 | 綱太夫ハルフシ | 『勢洲阿漕浦』平次住家 | 「仕習いやすき下司仕事」 | 068 |
69 | 駒太夫ハルフシ | 『本朝廿四孝』十種香 | 「こなたには心そぞろに」 | 069 |
70 | 重太夫ハルフシ | 『生写朝顔話』宿屋 | 「暫しは旅と綴りけん。昔の人の筆の跡」 | 070 |
71 | ツギフシ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「百万石に勝るぞや」 | 071 |
72 | 地ハル | 『伽羅先代萩』御殿 | 「ドレ拵へうとかい取つて。傍に飾る黒棚より」 | 072 |
73 | 地ウキ | 『義経千本桜』鮓屋 | 「思し召されん申し訳。過ぎつる春の頃」 | 073 |
74 | 地ウキ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「世にあらうか。解けて逢う夜のきぬぎぬも」 | 074 |
75 | 地ウキ | 『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛住家 | 「聞き分けていんだがよいぞやと。言ひつつ内へ針箱の」 | 075 |
76 | 地ウキ | 『伽羅先代萩』御殿 | 「ひもじうない。何ともないと渋面つくり」 | 076 |
77 | 地ウキ | 『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛住家 | 「コレま一度顔をと引き寄せて」 | 077 |
78 | ユル | 『仮名手本忠臣蔵』勘平切腹 | 「さてもさても世の中におれのやうな因果な者が」 | 078 |
79 | イチウキ | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「前生の報ひか罪か悲しやと」 | 079 |
80 | 地上ウキ | 『伽羅先代萩』御殿 | 「鉄石心。さすが女の愚に返り。人目なければ伏し転び。死骸にひしと抱き付き前後不覚に嘆きしは。ことわり」 | 080 |
81 | 地中 | 『仮名手本忠臣蔵』判官切腹 | 「つぶさに承知せられよと。懐中より御書取り出し」 | 081 |
82 | 大落シ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「ハラハラハラ雨か涙の潮境。波立ち騒ぐ如くなり」 | 082 |
83 | 大落シ代用 | 『仮名手本忠臣蔵』判官切腹 | 「さてこそ末世に大星が。忠心義心の名を上げし根ざしはかくと知られけり」 | 083 |
84 | 詞大落シ | 『仮名手本忠臣蔵』勘平切腹 | 「両人ともにまず。まずまずまず聞いてたべ」 | 084 |
85 | 筑前落シ | 『加賀見山旧錦絵』長局 | 「錦とかわる麻の衣。女鑑と知られけり」 | 085 |
86 | 中落シ | 『菅原伝授手習鑑』佐太村 | 「物狂はしき風情なり」 | 086 |
87 | 上総落シ | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「いずれもは門火門火と。門火を頼み頼まるゝ」 | 087 |
88 | 景事落シ | 『一谷嫩軍記』林住家 | 「いたはしくもまた道理なり」 | 088 |
89 | 文弥落シ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「曇りなき涙に誠あらわせり」 | 089 |
90 | キオイ落シ | 『伊賀越道中双六』岡崎 | 「くれよかしと庭にまろびつ這いまわり。抱き入れたるわれが身も雪と消えゆべき風情なり」 | 090 |
91 | キオイ落シ | 『艶容女舞衣』酒屋 | 「内と外。一度にわつとわき出る涙。浪花江泉川小きんを汲み出す如くなり」 | 091 |
92 | 三ツ間落シ | 『花上野誉碑』志度寺 | 「座敷の内もお手車。乳母も衣裳を着飾つて」 | 092 |
93 | 四ツ間落シ | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「かこち給へば初花も。共に涙にむせかえり」 | 093 |
94 | 五ツ間落シ | 『近頃河原の達引』堀川 | 「女子の道を立て通す娘の手前面目ない」 | 094 |
95 | 四ツ折落シ | 『心中天網島』河庄 | 「帰る姿も痛々しく。跡見送り声をあげ」 | 095 |
96 | セキ落シ | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「こればつかりがと言ひさして声くもらせば。初花姫」 | 096 |
97 | ハヅミ落シ | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「胸に迫つて一言もお礼は口には出ぬわいな」 | 097 |
98 | 五字落シ | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「いかが過ぎ行き給ふらん。未来の迷ひこれひとつ」 | 098 |
99 | 二ツユリ | 『奥州安達原』袖萩祭文 | 「身に堪ゆるは血筋の縁」 | 147 |
100 | 三ツユリ | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「胸にひつしと萩の方途方涙にくれ給ふ」 | 148 |
101 | 四ツユリ | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「散りぬる命是非もなや」 | 149 |
102 | 五ツユリ | 『本朝廿四孝』勘助住家 | 「ままなぬこそ恨みなれ」 | 150 |
103 | 六ツユリ | 『伽羅先代萩』御殿 | 「直してあふぐ扇さへ骨も砕くる思ひなり」 | 151 |
104 | 七ツユリ | 『妹背山婦女庭訓』杉酒屋 | 「言はうとすれば胸せまり」 | 152 |
105 | 九ツユリ | 『義経千本桜』鮓屋 | 「どうと伏し身を震わして泣きければ」 | 153 |
106 | ツキユリ | 『紙子仕立両面鑑』大文字屋 | 「とつかわ出るもゆつりと泣きにいぬると哀れなり」 | 154 |
107 | ユリナガシ | 『近頃河原の達引』堀川 | 「仰ぐも我を渋団扇。目さへ不自由な暮らしなり」 | 155 |
108 | ハルユリ | 『桂川連理柵』帯屋 | 「胸に釘打つ長右衛門。面目涙にくれいたる」 | 156 |
109 | ウキユリ | 『新版歌祭文』野崎村 | 「気の毒さ。振りの肌着に玉の汗」 | 157 |
110 | 中ユリ | 『染模様妹背門松』質店 | 「夢合せ。幾瀬の思いぞ辛気なる」 | 158 |
111 | ウキキンユリ | 『仮名手本忠臣蔵』山科閑居 | 「ただアイアイも口の内。帽子まばゆき風情なり」 | 159 |
112 | クルマユリ | 『天網島時雨炬燵』紙屋内 | 「心の限り口説きたて。恨み嘆くぞ誠なる」 | 160 |
113 | ハネユリ | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「寄るも寄られず悲しさの。千々に砕くる物思ひ」 | 161 |
114 | オルユリ | 『新版歌祭文』野崎村 | 「骨身にこたえ久松お染。何と返事もないじやくり」 | 162 |
115 | キオイユリ | 『薫樹累物語』埴生村 | 「かの男を納戸へこそは入りにけり」 | 163 |
116 | ユリフシ | 『本朝廿四孝』十種香 | 「立ち戻つて手を合わせ。御経読誦の鈴の音」 | 164 |
117 | ユリフシ | 『義経千本桜』鮓屋 | 「知らぬ道をば行き迷う」 | 165 |
118 | ウキギンキン | 『近頃河原の達引』堀川 | 「同じ都も世に連れて」 | 166 |
119 | ウキギンキン | 『近頃河原の達引』堀川 | 「詞に否も泣き顔かくす硯の海山と」 | 167 |
120 | ウキギンキン | 『碁太平記白石噺』新吉原揚屋 | 「宮城野が部屋は上品奥二階。箪笥長持鏡台の」 | 168 |
121 | ウキギンキン | 『伽羅先代萩』御殿 | 「釜湯の試みを千松に飲ます茶碗も楽ならで」 | 169 |
122 | ハリギン | 『加賀見山旧錦絵』長局 | 「胸なでおろし手を組んで思ひ詰めたるその顔色」 | 170 |
123 | ハリギン | 『仮名手本忠臣蔵』山科閑居 | 「枝打ち払へば雪散つて延るは直なる竹の力」 | 171 |
124 | ハリギン | 『染模様妹背門松』質店 | 「心は後に沖の船。裾もゆらゆら走り行く」 | 172 |
125 | ハリギン | 『新版歌祭文』野崎村 | 「燃ゆる思ひは娘気の細き線香に立つ煙」 | 173 |
126 | 中キン | 『加賀見山旧錦絵』長局 | 「憂き涙。包むに余る小風呂敷」 | 174 |
127 | 中キン | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「絆にや。障子に映る陽炎の」 | 175 |
128 | ワリキン | 『勢州阿漕浦』平次住家 | 「涙の雨。身に降りかかるを身に受けて」 | 176 |
129 | 江戸キン | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「さしもの平山あしらひかね。浜辺をさして」 | 177 |
130 | 説教キン | 『染模様妹背門松』質店 | 「心は先へ」 | 178 |
131 | ユリキン | 『伊賀越道中双六』岡崎 | 「両腰そつと道端の雪かき集め押し隠す」 | 179 |
132 | ノルキン | 『絵本太功記』妙心寺 | 「軍配取つて一戦に」 | 180 |
133 | ノリキン | 『和田合戦女舞鶴』市若初陣 | 「すがれば払ふ愛別離苦」 | 181 |
134 | ウラキン | 『花上野誉碑』志度寺 | 「額を土にうづくまる」 | 182 |
135 | ハヤキン | 『一谷嫩軍記』組討ち | 「事ありて。須磨の磯辺に出られしが」 | 183 |
136 | スエキン | 『仮名手本忠臣蔵』道行旅路の嫁入 | 「さつた峠にさしかかり。見返れば」 | 184 |
137 | 上ケキン | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「さらばさらば。おさらばと声も涙にかきくもり」 | 185 |
138 | 上ケキン | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「そのお言葉。たとへ何れの胤なりとも」 | 186 |
139 | 地中ハル | 『増補忠臣蔵』本蔵下屋敷 | 「我が身ぞ知る三世の縁も浅草の」 | 187 |
140 | 地中ハル | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「申し上ぐれば。御涙を浮かめ給ひ」 | 188 |
141 | 地中ウ | 『近頃河原の達引』堀川 | 「嘘とは知れど老いの身は」 | 189 |
142 | 地中ウ | 『義経千本桜』鮓屋 | 「こちらはここに天井抜け。寝て花やろと」 | 190 |
143 | 地色 | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「かかる所へ春藤玄番。首見る役は松王丸」 | 191 |
144 | 地色ハル | 『傾城恋飛脚』新口村 | 「言葉の端に孫右衛門。扨はさうかと恩愛の」 | 192 |
145 | 地色ハル(河内播磨) | 『傾城反魂香』土佐将監閑居 | 「将監も不憫さの」 | 193 |
146 | 地色ウ | 『義経千本桜』鮓屋 | 「様子聞いたかいがみの権太。勝手口よりおどりり出で」 | 194 |
147 | 地色中 | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「母の嘆きに。かきくもる」 | 195 |
148 | 地色上 | 『壺坂観音霊験記』壺坂寺 | 「ハアハヽヽヽ有難や。忝や」 | 196 |
149 | 色 | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「ハツと驚き口に手をあて。アヽ声が高い初菊殿」 | 197 |
150 | 色 | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「駆け戻つてハツタとにらみ」 | 198 |
151 | ハヅミ | 『増補忠臣蔵』本蔵下屋敷 | 「主人桃の井若狭之助忍びと見えて」 | 099 |
152 | ハヅミ | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「松王は駕籠に揺られて立ち帰る」 | 100 |
153 | ハヅミ | 『一谷嫩軍記』組討ち | 「船一艘もあらざれば詮方なみに」 | 101 |
154 | ハヅミ | 『義経千本桜』鮓屋 | 「お触れのあつた内侍六代。維盛弥助めせしめて」 | 102 |
155 | ハヅミ | 『箱根霊験躄仇討』箱根滝 | 「してこいなと。尻ひつからげかけり行く」 | 103 |
156 | ハヅミ(津賀太夫) | 『箱根霊験躄仇討』箱根滝 | 「こりやかなわぬと逃げて行く」 | 104 |
157 | 江戸ハヅミ | 『蝶花形名歌島台』小坂部館 | 「まだ十歳の腕白ざかり」 | 105 |
158 | ノリハヅミ | 『八陣守護城』政清本城 | 「ナウコレ待つてと雛衣が取りつき縋るを。振り払い見返りもせずかけり行く」 | 106 |
159 | モロハヅミ | 『蝶花形名歌島台』小坂部館 | 「股立ち凛々しく身拵え」 | 107 |
160 | 拍子 | 『近頃河原の達引』堀川 | 「婿入り姿ものつしりとのつしりと」 | 108 |
161 | 拍子 | 『ひらかな盛衰記』逆櫓 | 「ヤツシシシヤツシツシ。ヤツシシシヤツシツシ……」 | 109 |
162 | 拍子 | 『近頃河原の達引』堀川 | 「アヽイヤヤナウ。イヤヤナウ。アヽあた世話な長持ちより金持ちが」 | 110 |
163 | 詞ノリ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「コレ見給へ光秀殿」 | 111 |
164 | 詞ノリ | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「私が倅は器量よし。御見違え下さるなと」 | 112 |
165 | 大ノリ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「夕顔棚のこなたより現れ出たる武智光秀」 | 113 |
166 | 中ノリ | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「サレバサレバ。北嵯峨の御隠れ家」 | 114 |
167 | 大和地のノリ | 『傾城反魂香』土佐将監閑居 | 「オヽよい所へ酒肴。幸い幸い盃もいただいて」 | 115 |
168 | トル | 『恋娘昔八丈』城木屋 | 「堅い商売城木屋と門にしるしの杉ならで」 | 116 |
169 | トル | 『一谷嫩軍記』組討ち | 「鞍のしほでや。しをしをと」 | 117 |
170 | トルカヽリ | 『菅原伝授手習鑑』佐太村 | 「南無阿弥陀笠うちかぶり。行くは四十万億土」 | 118 |
171 | トルカヽリ | 『伊賀越道中双六』沼津 | 「蔭に巣を張り待ちかける」 | 119 |
172 | クル | 『壺坂観音霊験記』壺坂寺 | 「折しも坂の下よりも。詠歌を道のしおりにて」 | 120 |
173 | 上クル | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「ハラハラハラ雨か涙の潮境(波立ち騒ぐ如くなり)」演奏省略 | 082 |
174 | クルカン | 『壺坂観音霊験記』壺坂寺 | 「神ならぬ身のあさましや。かゝる憂き目は先の世の。報いか罪か。エヽ情けなや」 | 121 |
175 | クリアゲ | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「疱瘡まで。仕舞うたことやと。せきあげカツパと」 | 122 |
176 | クリアゲ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「祝言さへもすまぬ内。討死とは曲がない。」 | 123 |
177 | 八ツグリ | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「聞こえぬ我が子や。懐かしのこの笛やと」 | 124 |
178 | 八ツグリ | 『仮名手本忠臣蔵』山科閑居 | 「白髪も。コレこの首。婿殿へ進ぜたさ」 | 125 |
179 | 上八ツグリ | 『日蓮聖人御法海』勘作住家 | 「ワツとばかりに泣き倒れ。性根正体なかりしが」 | 126 |
180 | ヒロイ | 『明烏六花曙』山名屋 | 「塀の外面を見下ろして」 | 127 |
181 | ヒロイ | 『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛内 | 「ドレドレ報謝進上と。盆に白げの志」 | 128 |
182 | 長地 | 『生写朝顔話』宿屋 | 「秋月の娘深雪は身に積る。嘆きの数の重なりて。ねぐら失う目無し鳥」 | 129 |
183 | 長地カカリ | 『摂州合邦辻』合邦庵室 | 「親里も今は心の頼みにて。なれし」 | 130 |
184 | 長地カカリ | 『壺坂観音霊験記』沢市内 | 「まめやかに。夫の手助け賃仕事つづれさせてう洗濯や」 | 131 |
185 | 長地カカリ | 『卅三間堂棟由来』平太郎住家 | 「じつと堪えて立寄れど。えも岩代の結び松。我は柳の緑子が」 | 132 |
186 | コハリ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「猪首に着なす鍬形の。あたりまばゆき出立は」 | 133 |
187 | コハリ | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「いづれも立寄つて御成敗なされよと。よろぼひよろぼひ首取り上げ」 | 134 |
188 | 矢 | 『増補忠臣蔵』本蔵下屋敷 | 「殿も見おろし御落涙。袖や袴に雨車軸流れて外へ小柴垣」 | 135 |
189 | 矢 | 『伽羅先代萩』御殿 | 「忠義は先代末代まで。またあるまじき烈女の鑑。今にその名は香ばしき」 | 136 |
190 | 矢トメ上 | 『義経千本桜』鮓屋 | 「手負に取り付き。天命知れや不孝の罪」 | 137 |
191 | 矢トメ上 | 『義経千本桜』鮓屋 | 「可愛や金吾は深手の別れ」 | 138 |
192 | 矢トメ上 | 『仮名手本忠臣蔵』一力茶屋 | 「ヤアヤアヤアそれはマア本かいな」 | 139 |
193 | カン | 『傾城恋飛脚』新口村 | 「長き親子の別れには。安方ならで安き気も。涙」 | 140 |
194 | カン | 『艶容女舞衣』酒屋 | 「去年の秋の患いにいつそ死んで仕舞ふたら」 | 141 |
195 | ウレイハルフシ | 『生写朝顔話』宿屋 | 「朝顔殿朝顔殿と呼びたつる。無惨なるかな秋月の」 | 142 |
196 | ウレイハルフシ | 『御所桜堀川夜討』弁慶上使 | 「始終の様子聞く忍」 | 143 |
197 | ハヅミハルフシ | 『和田合戦女舞鶴』市若初陣 | 「館をば出づるも思ひ見る思ひ」 | 144 |
198 | ハルフシカカリ | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「哀れはかなき有様を」 | 145 |
199 | ハルフシカカリ | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「武士を捨て住み処さへ定めなき」 | 146 |
200 | ノル | 『近頃河原の達引』堀川 | 「アヽイヤヤナウ。イヤヤナウ。私や長持ちより金持ちが」 | 110 |
201 | 繁太夫節 | 『心中天網島』河庄 | 「紙治様と死ぬる約束。親方にせかれて逢瀬も絶え。差し合ひあつて今急に請出すこと叶はず。南の元の親方と。こゝとにまだ五年ある年の中。人手に取られては。私は元より主はなほい一ち分立たず。いつそ死んでくれぬか。アゝ死にましよと。引くに引かれぬ義理詰めに。ふつと言ひ交はし。首尾を見合せ。合図を定め。抜けて出よう。抜けて出よと。いつなんどきを最期とも。その日送りのあへない命」 | 267 |
202 | タタキ | 『染模様妹背門松』質店 | 「裸にしたかぬくもりの。さめぬを待てど身は寒き」 | 199 |
203 | タタキ | 『碁太平記白石噺』新吉原揚屋 | 「宮城野が部屋は上品奥二階」 | 200 |
204 | タタキ | 『本朝廿四孝』十種香 | 「りんの音。此方も同じ松虫の」 | 201 |
205 | タタキ | 『近頃河原の達引』堀川 | 「契りやと。枕に伝ふ露涙」 | 202 |
206 | 下タタキ | 『花上野誉碑』志度寺 | 「伏し拝む手に露涙」 | 203 |
207 | ハリタタキ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「どう急がるゝものぞいのと。泣く泣く取り出す緋縅の」 | 204 |
208 | ハリタタキ | 『壺坂観音霊験記』壺坂寺 | 「乱るゝ心取り直し。上る段さえ四つ五つ。はやふけわたる鐘の声」 | 205 |
209 | 中タタキ | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「用意の褥四隅には」 | 206 |
210 | 中タタキ | 『伽羅先代萩』御殿 | 「お末がわざを信楽や」 | 207 |
211 | タタキカカリ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「かゝれとてしも烏羽玉の」 | 208 |
212 | タタキカカリ | 『日吉丸稚桜』駒木山城中 | 「片時も思ひ忘るゝ隙も無う」 | 209 |
213 | オオマワシ | 『傾城恋飛脚』新口村 | 「落人の(ためかや今は)」 | 210 |
214 | コマワシ | 『染模様妹背門松』質店 | 「草鞋とくとくお上に上り」 | 211 |
215 | コマワシ | 『蝶花形名歌島台』小坂部館 | 「心も先へ飛び石伝い」 | 212 |
216 | 六法 | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「真柴が武名仮名書き」 | 213 |
217 | 六法 | 『艶姿女舞衣』酒屋 | 「茜染め今色上げし艶姿」 | 214 |
218 | 裏六法 | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「あとは門火に酔ひもせず」 | 215 |
219 | ウレイ六法 | 『迎駕籠野中井戸』聚楽町 | 「小梅も梅の花散らしやがて茜の知るべまで」 | 216 |
220 | 位 | 『仮名手本忠臣蔵』判官切腹 | 「入り来る上使は石堂右馬之丞」 | 217 |
221 | 位オチ | 『仮名手本忠臣蔵』勘平切腹 | 「身をへりくだり述べければ」 | 218 |
222 | 行儀 | 『仮名手本忠臣蔵』山科閑居 | 「幸い今日は日頃もよし。サ御用意なされ下されませと相述ぶる」 | 219 |
223 | ケイジフシ | 『仮名手本忠臣蔵』道行旅路の嫁入 | 「連れて親子の二人連れ」 | 220 |
224 | 雛形 | 『仮名手本忠臣蔵』山科閑居 | 「アノ力弥様のお屋敷はもうここかえ。私や恥かしいと。なまめかし」 | 221 |
225 | シャキリ | 『仮名手本忠臣蔵』山科閑居 | 「由良殿と言ふも涙にむせかれば」 | 222 |
226 | シャリセン | 『仮名手本忠臣蔵』山科閑居 | 「妻や娘はあるにもあられず」 | 223 |
227 | 長持 | 『日蓮聖人御法海』勘作住家 | 「かえらぬ事を口説きたて。そこよここよと駆け回り」 | 224 |
228 | バツカイ | 『奥州安達原』袖萩祭文 | 「申し申しと伸び上り」 | 225 |
229 | 八郎兵衛節 | 『桜鍔恨鮫鞘』鰻谷 | 「うぬ真二つに。ヤアきりきりきりな斬り殺し。浮世の夢や鮫鞘に」 | 226 |
230 | 八文字 | 『戻駕色相肩』 | 「花よ花よと金やる客は」 | 227 |
231 | 乱レ | 『伊賀越道中双六』沼津 | 「サござれと先に立つ。平作は千鳥足。しんどが利になる蒟蒻の砂になるかと悲しさに。小腰かがめて」 | 228 |
232 | ツナギ | 『傾城恋飛脚』新口村 | 「馴れぬ旅路を忠兵衛が。労る身さへ雪風に」 | 229 |
233 | スリアゲ | 『増補忠臣蔵』本蔵下屋敷 | 「これが忠義の仕納めかと。思へば足も」 | | |
234 | スリサゲ | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「真柴にあらで真実の母の皐月が七転八倒」 | | |
235 | 投込 | 『伊賀越道中双六』岡崎 | 「拙者が金打と。死骸を庭へ投げ捨てたり」 | | |
236 | 勇込 | 『箱根霊験躄仇討』箱根滝 | 「瞬く内イザ御出と。勇み立ち」 | | |
237 | 割込 | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「五色の息を一時にハツト吹きなすばかり也」 | | |
238 | セリ込 | 『勢州阿漕浦』平次住家 | 「下んせ下んせは。伊勢路にはやる言葉かや」 | | |
239 | 責込 | 『彦山権現誓助剣』毛谷村 | 「母様用意と勇み立つ」 | | |
240 | キメ込 | 『源平布引滝』九郎助住家 | 「鞍の前輪に押し付けて。首掻き切つて捨てにけり」 | | |
241 | 五重下リ | 『伊賀越道中双六』沼津 | 「悲しい金の才覚も。男の病が治したさ」 | | |
242 | 五重カカリ | 『仮名手本忠臣蔵』山科閑居 | 「母も追付け後から行く。覚悟は良いかと。立派にも涙留めて立ち掛り」 | | |
243 | 四ツ折 | 『碁太平記白石噺』新吉原揚屋 | 「意見上手な親方が籠る情に宮城野が」 | | |
244 | 四ツ間 | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「コレ見給へ光秀殿」 | 111 |
245 | 播磨 | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「かくせと報せに館の後室。衣紋正しく出で向ひ」 | 230 |
246 | 播磨 | 『仮名手本忠臣蔵』勘平切腹 | 「縞の財布の紫摩黄金。仏果を得よと言ひければ」 | 231 |
247 | 播磨カカリ | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「立派なやつや九つで」 | 232 |
248 | 播磨重ネ | 『義経千本桜』鮓屋 | 「若葉の内侍若君を宿ある方へ預け置き」 | 233 |
249 | 組太夫 | 『八重霞浪花浜荻』新屋敷 | 「それも誰ゆえ。秋鹿のと」 | 234 |
250 | 文弥 | 『伽羅先代萩』御殿 | 「忠と教える親鳥の」 | 235 |
251 | 文弥 | 『日蓮聖人御法海』勘作住家 | 「しおしおと涙片手に掻きいれて」 | 236 |
252 | 文弥 | 『鎌倉三代記』三浦別れ | 「聞き納めと。思へば弱る後ろ髪」 | 237 |
253 | 文弥 | 『廓文章』吉田屋 | 「さりとては紙子ざわりが荒い荒い。引けば破れる掴めば跡にしわす浪人。昔はやりが迎えに出る。今はようよう薙刀の」 | 238 |
254 | 文弥 | 『伊賀越道中双六』沼津 | 「早く苦痛を止めて下され。親子一世の逢い初めの逢い納め」 | 239 |
255 | 文弥 | 『妹背山婦女庭訓』妹山背山 | 「サア母様切つて切つてと。身を惜しまぬ我が子に励まされ」 | 240 |
256 | 文弥 | 『箱根霊験躄仇討』箱根滝 | 「泣きじや滅多やたらに腹立て」 | 241 |
257 | 文弥 | 『[庚鳥]山姫捨松』中将姫雪責 | 「今朝までも労り傅く身なりしに」 | 242 |
258 | 表具 | 『仮名手本忠臣蔵』一力茶屋 | 「数に入てお供に立たん。小身者の悲しさは」 | 243 |
259 | 表具 | 『[庚鳥]山姫捨松』中将姫雪責 | 「サどうじやとするどなる詮議に姫は顔を上げ。愚かの仰せ候ぞや」 | 244 |
260 | 表具 | 『近頃河原の達引』堀川 | 「しばしこの世を仮蒲団。薄き親子の契りやと」 | 245 |
261 | 表具(綱太夫) | 『花上野誉碑』志度寺 | 「乳母が亡き後。亡き父の」 | 246 |
262 | 表具(綱太夫) | 『摂州合邦辻』合邦庵室 | 「かかるけやけき姿をばお目に」 | 247 |
263 | 表具(麓太夫) | 『蝶花形名歌島台』小坂部館 | 「捨つる命の有難き」 | 248 |
264 | 表具(組太夫) | 『菅原伝授手習鑑』佐太村 | 「是非に及ばぬ。あの日と共に枯れし命の桜丸」 | 249 |
265 | 表具カカリ | 『近頃河原の達引』堀川 | 「この世に残つている気はあるまい。いづくいかなる国の果山の奥でも身を忍び」 | 250 |
266 | 表具クズレ | 『傾城恋飛脚』新口村 | 「懐に温められつ温めつ」 | 251 |
267 | 表具クズレ | 『近頃河原の達引』堀川 | 「そも逢ひかかるはじめより。末の末まで言ひ交し」 | 252 |
268 | 表具重ネ | 『義経千本桜』鮓屋 | 「栄華の昔父のこと。思ひ出され御膝に落る涙ぞいたわしき」 | 253 |
269 | 土佐節 | 『鬼一法眼三略巻』五条橋 | 「西塔の武蔵坊弁慶は。その頃都にありけるが。五条の橋には人を悩ます曲者ありと聞きしかば。それを従へ召し使はんと。心も空も晴るゝ夜の月も。音羽の山の端に出で立つ鎧は黒革縅。好む所の道具には熊手薙鎌鉄の棒。才槌鋸鉞刺股差すままに。権現より賜はつたる大薙刀。真ん中取つて打ちかづき。ゆらりゆらりと出でたる有様。いかなる天魔鬼神なりとも面を向くべきやうあらじと。我が身ながらも物頼もしく。手に立つ者のアヽ欲しやと。独り言して打ち渡り。向ふをきつと見てあれば」 | 254 |
270 | 外記 | 『卅三間堂棟由来』平太郎住家 | 「名を上げて給や。母は今を限りにて」 | 255 |
271 | 外記 | 『大江山酒呑童子』保昌館 | 「ヤアヤア怪童。尋ぬる母は爰にあり。とくとく出よと呼ばはつたり」 | 256 |
272 | 江戸 | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「対面せんと呼ばはつて。三衣にかはる陣羽織。小手臑当も優美の骨柄。悠然として」 | 257 |
273 | 江戸 | 『岸姫松轡鑑』飯原館 | 「間の襖を押し開き。司姫を小脇にかかえ勢い込んで義秀が」 | 258 |
274 | 半太夫 | 『傾城恋飛脚』新口村 | 「為かや今は冬枯れて。薄尾花は無けれども世を忍ぶ身は跡や先」 | 259 |
275 | 半太夫 | 『紙子仕立両面鑑』大文字屋 | 「蔭も心もかき曇るお松いえど色変る」 | 260 |
276 | 半太夫 | 『新版歌祭文』野崎村 | 「チヨキチヨキチヨキ切つても切れぬ恋衣や。元の白地をなまなかに。お染は思ひ久松が」 | 261 |
277 | 半太夫 | 『桂川連理柵』帯屋 | 「信濃屋のお半は胸の憂さ辛さ。よそ目を包む振袖の」 | 262 |
278 | 半太夫 | 『近頃河原の達引』堀川 | 「よう合点いたしました。殊にまた伝兵衛さん。つい一通りで逢うた客。深い訳でもないわいな。しかし勤めの習ひにて。人の落目を見捨つるを廓の恥辱とするわいな。とても末の詰らぬこと。わしや得心してをりまする。ちよつと逢うてその上で。 | 263 |
[278] | 半太夫 | 『近頃河原の達引』堀川 | 憎し悪しもないやうに得心をさせまして。品よう訳の立つやうに」 | 264 |
279 | 半太夫 | 『祇園祭礼信仰記』笠の舞 | 「たどりたどりて」 | 265 |
280 | 笠半太夫 | 『祇園祭礼信仰記』芥子畑 | 「かけて結んで付きまとはれて」 | 266 |
281 | 道具屋 | 『伊勢音頭恋寝刃』油屋 | 「北六万野が取り取りに。とさん盃硯蓋」 | 268 |
282 | 道具屋 | 『関取千両幟』猪名川内 | 「町中の贔屓に肩も猪名川が」 | 269 |
283 | 道具屋 | 『勢州阿漕浦』平次住家 | 「かかる嘆きの胴中へ」 | 270 |
284 | 道具屋 | 『本朝廿四孝』景勝下駄 | 「二重の腰の白妙も」 | 271 |
285 | 道具屋カカリ | 『卅三間堂棟由来』平太郎住家 | 「夜は山賊の大胆不敵。何でも掘り出し。しこためんと」 | 272 |
286 | 薗八(宮薗) | 『廓文章』吉田屋 | 「忍ぶとすれど古の。花嵐のおとなひの」 | 273 |
287 | スヱテ | 『艶姿女舞衣』酒屋 | 「やつぱりもとの嫁娘と仰て下さりませお二人様と。後は言葉も涙なり」 | 274 |
288 | スヱテ | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「無常を悟りしか。さすがに猛き武士も物の哀れを今ぞ知る」 | 275 |
289 | スヱテ | 『近頃河原の達引』堀川 | 「十五夜の。月は冴ゆれど胸の間。過ぎし別れの言い交し」 | 276 |
290 | スヱ | 『菅原伝授手習鑑』道明寺 | 「心の嘆きを隠し歌」 | 277 |
291 | スヱ | 『奥州安達原』袖萩祭文 | 「皮も破れし三味線の」 | 278 |
292 | 政太夫のスヱ | 『仮名手本忠臣蔵』山科閑居 | 「祝言させて下さりませと。すがり嘆けば母親は」 | 279 |
293 | 染太夫のスヱ | 『妹背山婦女庭訓』妹山背山 | 「久我之助は欝々と父の行く末身の上を守らせ給へと心中に」 | 280 |
294 | 春太夫のスヱ | 『本朝廿四孝』十種香 | 「不憫ともいぢらしとも言はん方なき二人の心と。そぞろ涙にくれけるが」 | 281 |
295 | スヱカカリ | 『摂州合邦辻』合邦庵室 | 「玉手御前。俊徳丸御行方たずね兼ねつつ」 | 282 |
296 | スヱカカリ | 『新版歌祭文』野崎村 | 「連れて行く。その間遅しと駆け入るお染。逢ひたかつたと久松にすがりつけば」 | 283 |
297 | スヱカカリ | 『義経千本桜』鮓屋 | 「お変わり無いかと吃驚も。一度に興をぞさましける」 | 284 |
298 | 大スヱ | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「或は悔やみ或は怒り涙滝を争えり」 | 285 |
299 | スヱテ(四段目) | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「きつと見るより暫くは打ちまもりいたりしが」 | 288 |
300 | 新内 | 『明烏六花曙』山名屋 | 「情けない今宵別れてわしが身や」 | 289 |
301 | 新内 | 『明烏六花曙』山名屋 | 「かかる憂目を見せるのも皆わしから起つたこと」 | 290 |
302 | サハリ | 『廓文章』吉田屋 | 「夕霧涙諸共に恨みられたりかこつのは。色の習と言ひながら」 | 291 |
303 | 舞 | 『傾城反魂香』土佐将監閑居 | 「是は土佐また。土佐の又平光起が師匠の恩の報せんと。身にも応ぜぬ重荷をば。大津の町や追分の絵にぬる胡粉は安けれど。名は千金の絵師の家。今墨色を上げにけり」 | 292 |
304 | 平家 | 『義経千本桜』渡海屋 | 「美しき御手を合はせ。身奉れば気も消え消え」 | 293 |
305 | 平家 | 『源平布引滝』松波琵琶 | 「いざや謡はん是とても。浮世は夢の現とや。さはあれど恩愛の中心留まつて腸を断つ。魂を動かさずと言ふこともなし」 | 294 |
306 | 鼓歌 | 『日蓮聖人御法海』勘作住家 | 「灯火眠る隙間より吹き来る風の身に沁みて」 | 295 |
307 | 放下僧 | 『伊賀越道中双六』政右衛門屋敷 | 「市松人形風車。七つなる子に殿を持たせ済ました」 | 296 |
308 | 琴唄 | 『生写朝顔話』宿屋 | 「露の干ぬ間の朝顔を。照らす日影のつれなさに。哀れ一むら雨のはらはらと降れかし」 | 297 |
309 | 地歌 | 『壺坂観音霊験記』沢市内 | 「鳥の声鐘の音さえ身に沁みて。思ひ出す程涙が先へ落ちて流るゝ妹背の川を」 | 298 |
310 | 祭文 | 『奥州安達原』袖萩祭文 | 「お願ひ申し奉る。今の憂き身の恥づかしさ。父上や母様のお気に背きし報ひにて。二世の夫にも引き別れ。泣きつぶしたる目なし鳥。二人が中のコレこのお君とて。明けてやうやう十一の子を持って知る親の恩。知らぬ祖父様祖母様を慕ふこの子がいぢらしさ。不憫と思し給はれと。あと歌ひさし」 | 300 |
311 | 祭文 | 『恋娘昔八丈』鈴ヶ森 | 「不憫やお駒は夫の為。かかる憂き目を縛り縄。首にかけたる水晶の数珠のかずさへ消えて行く。屠所の羊の歩みより」 | 301 |
312 | 祭文 | 『染模様妹背門松』質店 | 「高いも低いも姫御前の肌ふれるのはただ一人。親兄弟もふり捨てゝ殿御に付くが世の教え」 | 302 |
313 | 冷泉 | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「立つる樒のひともとも」 | 303 |
314 | 冷泉カカリ | 『伊賀越道中双六』政右衛門屋敷 | 「後ろから着せる羽織もひつしよなく」 | 304 |
315 | 冷泉カカリ | 『伊勢音頭恋寝刃』油屋 | 「泣く泣く硯引き寄せて書き置く筆の命毛も」 | 305 |
316 | 江戸冷泉 | 『加賀見山旧錦絵』長局 | 「思ひ詰めたるうき涙」 | 306 |
317 | 半冷泉 | 『彦山権現誓助剣』毛谷村 | 「折ふし竹の音も冴えて」 | 307 |
318 | ニシキ | 『御所桜堀川夜討』弁慶上使 | 「大振袖の伊達模様」 | 308 |
319 | ニシキ | 『天網島時雨炬燵』紙屋内 | 「紐つく袱紗押し開き差し出す一包」 | 309 |
320 | ニシキ | 『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛内 | 「豆板の豆なを喜ぶはなむけと。紙に包んで持つて出で」 | 310 |
321 | 説教 | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「かくと誰も白小袖。死出の晴着と姉妹と」 | 311 |
322 | 説教 | 『伽羅先代萩』御殿 | 「何の便りがあろぞいな」 | 312 |
323 | 説教カカリ | 『壺坂観音霊験記』壺坂寺 | 「この世も見えぬ盲目の闇より闇の死出の旅」 | 313 |
324 | 地蔵経 | 『彦山権現誓助剣』毛谷村 | 「さそはれ帰る幼子の目元しをしを亡き母と。知らでこがるゝ子心に。聞き覚えてや拾ひ取り。小石積みては母様と。慕ふ涙の雨やさめ。草葉に落ちておのづから手向の水の」 | 314 |
325 | 地蔵経カカリ | 『玉藻前曦袂』道春館 | 「賽の河原を此の世から積む石数も姉妹の年も重目に持つ涙」 | 315 |
326 | 鉢タタキ | 『敵討襤褸錦』百夜の計歌 | 「しばし休らふ軒の戸を。叩く水鶏のそれにはあらで叩く瓢の音も冴えて。二人連れたる鉢叩き。仏も元は思惑の。恋路の絆結んでは。抱いて涅槃の長枕。交さんしたと聞くものを。どうしたことの因果やら。なもうだなもうだ」 | 342 |
327 | 岡崎 | 『伊賀越道中双六』岡崎 | 「無惨や肌も振り山の。国に残せし女房の思ひの種の生れ子を抱いて遥々海山をたどりたどり岡崎の」 | 343 |
328 | 岡崎 | 『伊賀越道中双六』沼津 | 「ヤツト任せの八兵衛とな。杖する度の追従口」 | 344 |
329 | 街道 | 『太平記忠心講釈』喜内住家 | 「祝いし神送り」 | 345 |
330 | 街道 | 『本朝廿四孝』景勝下駄 | 「雪の中なる白髪の雪」 | 346 |
331 | 相の山 | 『恋女房染分手綱』沓掛村 | 「つまみ銭煙も立たぬ貧家の軒。その日」 | 347 |
332 | 相の山 | 『源平布引滝』松波琵琶 | 「血筋四筋の糸筋に」 | 348 |
333 | 相の山 | 『廓文章』吉田屋 | 「胸と心の相の山」 | 349 |
334 | 相の山 | 『絵本太功記』妙心寺 | 「是非なくついて入相の」 | 350 |
335 | 小室節 | 『一谷嫩軍記』組討 | 「鞍の塩手やしおしおと弓手に御首携えて」 | 351 |
336 | 小室節 | 『絵本太功記』妙心寺 | 「栗毛の駒。光秀ゆらりと打ち乗つて」 | 352 |
337 | 有田節 | 『近頃河原の達引』堀川 | 「お猿は目出度や目出度やね。婿入り姿ものつしりとのつしりと。コレ去りとは去りとはノウ。有ろかいな。さんないまた有ろかいな」 | 353 |
338 | オロシ | 『一谷嫩軍記』熊谷陣屋 | 「コハコハ思いがけなき御対面と。飛び退き敬い奉れば」 | 354 |
339 | オロシ | 『仮名手本忠臣蔵』判官切腹 | 「並みいる諸士も顔見合わせ。あきれ果たる計なり」 | 355 |
340 | オロシ | 『日吉丸稚桜』駒木山城中 | 「対面せんと。明知の一声鶴の間の襖左右へ押し開かせ悠々然と」 | 356 |
341 | 大オロシ | 『鳴響安宅新関』 | 「当来にては。九品蓮台の上に座せん」 | 357 |
342 | 音頭 | 『花雲佐倉曙』下総屋 | 「せじよや万じよの鳥追いが。参りて」 | 358 |
343 | 伊勢音頭 | 『勢州阿漕浦』平次住家 | 「故郷は都。ここは又」 | 359 |
344 | 伊勢音頭 | 『勢州阿漕浦』平次住家 | 「堂中へ。庄屋を案内に打ち連れて」 | 360 |
345 | 木遣音頭 | 『卅三間堂棟由来』平太郎住家 | 「勇ましや。和歌の浦には名所がござる。一に権現二に玉津島。三に下り松四に塩釜よ。ヨーイヨーイトナ」 | 361 |
346 | 木遣音頭 | 『卅三間堂棟由来』平太郎住家 | 「木遣音頭も父が役。かざす扇も萎れ声。無惨なるかな幼き者は。母の柳を都へ送る。もとは熊野の柳の露に育て上げたるその緑子がヨーイヨーイヨイトナ」 | 362 |
347 | 馬子唄 | 『妹背山婦女庭訓』金殿 | 「竹にさ雀はな品よく止まるな。止めてサア止まらぬ色の道かいな」 | 363 |
348 | 子守唄 | 『天網島時雨炬燵』紙屋内 | 「すかせばすやすや幼子を。いぶりながらも口説きごと」 | 364 |
349 | 子守唄 | 『仮名手本忠臣蔵』道行旅路の嫁入 | 「やや産んで。ねんねんや。ねんねんや。ねんねが守はどこへ行た」 | 365 |
350 | 糸繰唄 | 『伊賀越道中双六』岡崎 | 「来いと言たとて行かれる道か。道は四十五里波の上」 | 366 |
351 | 万歳 | 『壺坂観音霊験記』壺坂寺 | 「観音の。御利生ありけるや見えぬ眼も見え明らかに。有難かりける新珠の。年立ち返るごとくにて。水も漏らさぬ夫婦の命も助かりけるは。誠に目出たう候ひける。今日は嬉しや杖を納めて折しも朝の。日の目を拝んで。お礼申すや神や仏。万見せ給ふはこれひとへに観世音」 | 367 |
352 | 詠歌 | 『壺坂観音霊験記』壺坂寺 | 「岩をたて水をたたえて壺坂の」 | 316 |
353 | 詠歌 | 『岸姫松轡鑑』飯原館 | 「八千歳や柳に長き命寺」 | 317 |
354 | 詠歌 | 『岸姫松轡鑑』飯原館 | 「遠き国より運ぶ歩みは」 | 318 |
355 | 舟唄 | 『嬢景清八島日記』日向島 | 「四海波風静かにて枝も鳴らさぬノンエイノンエイ。玉の小柳もまれてよれてタドロモンドロ。なびき治まる八島のエイ。ヨホンホヨホンホ。ホンホン外まで君が代の」 | 319 |
356 | 馬子唄 | 『恋女房染分手綱』重の井子別れ | 「泣き声に。坂はてるてる鈴鹿はくもる。相の土山雨が降る」 | 320 |
357 | 馬子唄 | 『伊賀越道中双六』相合傘 | 「いやかいのいやかいのいやな風にもなびかんせ」 | 321 |
358 | わらべ歌 | 『伽羅先代萩』御殿 | 「しやくりながらのしめり声。こちの裏のちさの木にちさの木に。雀が三匹とまつてとまつて。一羽の雀が言ふことにや言ふことにや。アアコレ。夕べ呼んだ花嫁子花嫁子」 | 322 |
359 | わらべ歌 | 『伽羅先代萩』御殿 | 「紛らす声も震われて。わしが息子の千松が千松が。アアコレ。七つ八つから金山へ金山へ。一年まてどもまだ見えぬ。まだ見えぬ」 | 323 |
360 | 俗謡 | 『桂川連理柵』帯屋 | 「エエしちくどいわいな。しちくどいわいな。コレその長さん参るはな。内の子飼ひのこの長吉よ」 | 324 |
361 | 俗謡 | 『桂川連理柵』帯屋 | 「嬉しいごげんの願い参らせ候。長様参る。お半よりテツツンツン。テレンツチンチンチン。チンチントチント。チヽチンチンチン」 | 325 |
362 | 節季候 | 『傾城恋飛脚』新口村 | 「節季候代々。代々は節季候。お目出度いは節季候」 | 326 |
363 | 題目 | 『仮名手本忠臣蔵』二つ玉 | 「ヤ南無妙ヤチヨトナ法蓮華経。南無妙法蓮華経ハレワイサ。コレワイサ。ヨヤマカセ」 | 327 |
364 | 祈リ | 『花上野誉碑』志度寺 | 「南無金毘羅大権現。南無金毘羅大権現。南無金毘羅大権現。南無金毘羅大権現。南無金毘羅大権現」 | 328 |
365 | 祈リ | 『加賀見山旧錦絵』長局 | 「オオそうぢや。そうぢやとちり手水。一心無我の手を合わせ。南無観音様。南無観音様。南無鬼子母神様。南無鬼子母神様」 | 329 |
366 | 責念仏 | 『摂州合邦辻』合邦庵室 | 「露と消えゆく勧めの念仏。南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏」 | 330 |
367 | 歌念仏 | 『仮名手本忠臣蔵』山科閑居 | 「泣く娘。共に死骸に向ひ路の回向念仏は恋無常。出で行く足も立ち止まり。六字の御名を笛の音に。南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏これや尺八煩悩の。枕ならぶる追善供養。閨の契りは一夜ぎり」 | 331 |
368 | 地念仏 | 『菅原伝授手習鑑』佐太村 | 「鐘もしどろい。なまんだなまいだ。なまいだなまいだ。なまいだ。なまいだなまいだ。なまいだ」 | 332 |
369 | 掛念仏 | 『桂川連理柵』帯屋 | 「なまいだなまいだ。なまいだ」 | 333 |
370 | 空也念仏 | 『空也念仏』 | 「思えば浮世は程もなし。栄華は皆これ春の夢。冥利の心をとどめて急いで浄土を願うべし。南無阿弥陀仏や南無阿弥陀仏や。なもうだなもうだ。願う浄土は他にあらず。成就の来期時を待つ。南無阿弥陀仏や南無阿弥陀仏や。なもうだなもうだ。三界所広けれど来たりて泊まるところなし。例えば夢にも似たりけり」 | 334 |
371 | 入 | 『摂州合邦辻』合邦庵室 | 「駆け出る玉手。ナウ懐かしや俊徳様」 | 335 |
372 | 入 | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「進み兼ねてぞいたりける。小太郎が母涙ながら」 | 336 |
373 | クセ | 『義経千本桜』鮓屋 | 「お暇乞いに参りました。ヤア。父様にもお前にも随分おまめでおまめでと」 | 337 |
374 | カカリ | 『本朝廿四孝』十種香 | 「こんな殿御と添い臥しの身は姫御前の果報ぞと」 | 338 |
375 | 色カカリ | 『傾城恋飛脚』新口村 | 「尽きぬ涙を押しとどめ」 | 339 |
376 | 色カカリ(綱太夫) | 『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛内 | 「心を静めよそよそしく」 | 340 |
377 | ヒバリ | 『苅萱桑門筑紫[車栄]』 | 「暮れ行く秋の眺めには」 | 341 |
378 | 河内地 | 『菅原伝授手習鑑』佐太村 | 「烏帽子子になし下され。御恩は上なき築地の勤め。三人のその中に桜丸が身の幸ひ。人間の胤ならぬ竹の園生の御所奉公。下々の下々たる牛飼舎人。勿体なくも身近く召され。菅丞相の姫君とわりなき中の御文使ひ。仕終せたが仇となつて。讒者の舌に御身の浮名。終には謀叛と言ひ立てられ。菅原の御家没落。是非も無き次第なれば。宮姫君の御安堵を見届け」 | 368 |
379 | 河内地 | 『傾城反魂香』土佐将監閑居 | 「申すも涙のこぼれます。奥様までは申せしが」 | 369 |
380 | 河内地 | 『傾城恋飛脚』新口村 | 「世の譬えにも言ふ通り」 | 370 |
381 | 河内地 | 『菅原伝授手習鑑』寺子屋 | 「春堂玄蕃。首見る役は松王丸」 | 371 |
382 | 西風で途中から東風に変るもの | 『花上野誉碑』志度寺 | 「入相の花は昔と散り失せて」 | 372 |
383 | 西風で途中から東風に変るもの | 『近江源氏先陣館』盛綱陣屋 | 「峰吹き通す木枯らしに」 | 373 |
384 | 西風で途中から東風に変るもの | 『国姓爺合戦』甘輝館 | 「錦祥女は縋り付き。一生に親知らずついに一度の孝行なく。何で恩を送ろうぞ死なせてたべ母上と。口説き嘆けば」 | 374 |
385 | 西風で途中から東風に変るもの | 『義経千本桜』鮓屋 | 「神ならず仏ならねど」 | 375 |
386 | 西風で途中から東風に変るもの | 『奥州安達原』袖萩祭文 | 「アイとは言へど袖萩が。久しぶりの母の前。琴の組とはひきかへて。露命を繋ぐ古糸に」 | 376 |
387 | アテフシ | 『御所桜堀川夜討』弁慶上使 | 「こればつかりに引かされて。三途の川や死出の旅」 | 377 |
388 | 住太夫風 | 『伽羅先代萩』御殿 | 「跡見送りて政岡が」 | 378 |
389 | 麓太夫風 | 『絵本太功記』尼ヶ崎 | 「残る蕾の花ひとつ。水上げかねし風情にて」 | 379 |
390 | 綱太夫風 | 『摂州合邦辻』合邦庵室 | 「寝た間も」 | 380 |
391 | ネジカネフシ | 『天網島時雨炬燵』紙屋内 | 「その涙が蜆川へ」 | 381 |
392 | ネジカネフシ | 『心中天網島』河庄 | 「天満に年ふる千早ふる」 | 382 |
|
| 天王オクリ | 『勧進帳』 | 「越路の春の急ぐらん御心根ぞ」 | 383 |