ＦＩＬＥ　１０２

【　一目千人　（義太夫　住所録）】

義太夫雑誌　２巻１〜３号

　
義太夫雑誌　２巻１号　明治28.5.15　p31-33
　
一目千人
　　　　　桃夭　　
　
鞋千足は覚悟の前で漸くの事に探し出した芸人の宿所イヤ大抵の事じやなかつタ、そんなに骨を折らずとも区役所へ行けばわかる？やれ／＼此人は察しのない人そこを云ふてはみもふたもない、が皆さんの中に、フヽ奴は浅草(あそこ)かと此為めに恋の下宿屋(やどや)を知り、この近所まで来たから一寸、なぞと啌(うそ)をついてお立寄の栞にもならぱ夫で、よしよし吉原の細見をまねた、そこで年の見えぬに気をもむか方も有ろうが、若しやそれが為め、切角の恋も消ゆることが有りてはと、これは桃夭(ふねい)が粋じや／＼、
　
　　　　　浅草側(一)　　
猿屋町九番地岡村安吉方　田所クス事
　　竹本山登勢
同　　浜口リウ事
　　竹本隅吉
同　　川村カメヲ事
　　竹本相蝶
同　　西山リウ事
　　豊竹呂玉
同　二番地野村道之助方　早川正忠事
　　豊澤一兵
同　十一番地　田所アサ事
　　竹本小竹
同　十四番地　浜口ヨ子事
　　鶴澤大吉
同　フデ事
　　竹本小米
左衛門町一番地　松木庄太郎事
　　鶴澤三治
同　　鈴木栄二郎事
　　鶴澤三市　盲人
同　西尾イト方　山田重吉事
　　竹本重路
上平右衛門町四番地　森本スゞ事
　　鶴澤燕勝
下平右衛門町九番地　中村伝次郎事
　　鶴澤清翁
同　十八番地藤田カツ方　同　ソノ事
　　竹本綾之助
同　二十一番地　加藤房次郎事
　　竹本織太夫
同　廿六番地　大和田伝四郎事
　　竹本播磨太夫
同　十二番地星野喜三郎方　中嶋キク事
　　竹本土佐吉
同　三番地速水重太郎方　古川ブン事
　　鶴澤小六
茅町二十七番地　都水新助事
　　豊竹百太夫
同　二丁目二十七番地市川松兵衛方　佐藤トモ事
　　竹本綾蔵
同　市川松兵衛方　　ツヤ事
　　竹本艶子
新森田町四番地　端野タミ事
　　豊竹駒之助
新片町四番　田林菊次郎事
　　竹本福円
同　二番地　大島豊次郎事
　　竹本縫太夫
同　三番地八幡マサ方　大竹アサ事
　　竹本鶴浅
同　　山口ヨ子事
　　鶴澤豊子
福富町廿八番地　佐脇ヤス事
　　竹本浜吉
福井町一丁目廿五番地伊藤重次郎方　同　ヌイ事
　　鶴澤燕離
同　十九番地須原善太郎方　同　トラ事
　　豊澤民栄
新福井町五番地　樋口シン事
　　花沢雛栄
同　広瀬市蔵方　小泉キク事
　　鶴澤仲秀
同　一番地内山精造方　長谷川長次郎事
　　竹本小長太夫
同　四番地佐々木忠次郎方　川戸庄右衛門事
　　鶴澤六鳳
同　一番地内山精造方　高木松太郎事
　　豊澤松太郎
同　　片岡藤七事
　　竹本組太夫
同　　木津谷吉兵衛事
　　竹本小隅太夫
同　　佐奈幸三郎事
　　竹本緑太夫
柴田亀吉事
　　竹本十八太夫
同　　菅谷小三郎事
　　豊澤丑之助
同　　高木惣太郎事
　　豊澤惣太郎
同　　豊澤勝次郎事
　　豊澤松之助
同　　寺井安四郎事
　　豊竹柳適太夫
向柳原一丁目十七番地高橋吉次郎方　村井徳一事
　　竹本こじめ太夫
同　　村井為久事
　　竹本真吉太夫
同　十四番地　市川梅吉事
　　豊竹岡吉
向柳原一丁目十七番地三輪義惣方　松田エン事
　　豊竹花睦
同　　三輪セキ事
　　豊竹むつ義
同　十九番地　日吉明作事
　　野澤喜三郎
同　二丁目三番地　千葉タマ事
　　竹本浪しま
同　一番地岩崎源八方　岩崎カ子事
　　鶴澤清子
猿屋町十七番地牧野民雄方　近藤小サン事
　　竹本湊子
同　九番地岡村安吉方　吉川トラ事
　　竹本東吉
同　十七番地和田タナ方　同　スイ事
　　竹本巻野
新片町二番地　宮脇フサ事
　　竹本小房
旅籠町一丁目五番地星野喜三郎方　白木アイ事
　　竹本土佐尾
同　　峰谷釼次郎事
　　豊澤広次郎
同　二丁目一番地　三村房次郎事
　　竹本浦瀬太夫
同　林源之助方　上島与三郎事
　　豊竹東太夫
瓦町十二番地　後藤久五郎事
　　竹本桂太夫
同二十八番地　坂本幸事
　　竹本梅駒
同　　西村常七事
　　竹本相栄太夫
同　神原新太郎方　山賀寿事
　　鶴澤友子
須賀町二番地金井キン方　小林コマ事
　　豊竹和歌竹
同　上田久兵衛方　同　テル事
　　鶴澤三生
南元町二十番地　山本勇造事
　　鶴澤勇造
同　五十一番地田中栄造方　同　シゲ事
　　豊澤円登
(以下次号)
　
右之内にて若し番地お名前などに変りましたのがあらばお知らせ下さい左様すると次号(つぎ)には必ず改めますから葉書でもお口伝(ことづけ)ても宜しいのですわかりさいすれば
　　わたくし　
　
義太夫雑誌　２巻２号　明治28.6.15　 p46-51
　
一目千人　桃夭
　
浅草側（二)
新旅籠町三十四番地　住田トヨ事
　　豊竹数尾
同　一番地　近藤庄太郎事
　　竹本小賀太夫
同　三十四番地　若木千賀事
　　竹本千歳
同　　若木カメ事
　　竹本亀千代
同　十九番地　沢村タツ事
　　竹本東代玉
同　三十番地　浅野クス事
　　竹本小染
新旅籠町三十四番地住田ヌイ方　佐々木虎吉事
　　鶴澤海老三郎
同　三十番地　浅野トラ事
　　竹本政二
同　二十九番地　久堀ワサ事
　　鶴澤三吉
同　十七番地坂東昇二方　日下部ジウ事
　　豊竹仙駒
同　イク事
　　豊竹駒吉
福富町二十七番地　高橋チカ事
　　鶴澤松玉
同　二十八番地大林三之助方　小林市太郎事
　　竹本識子太夫
同　十六番地　川口トモ事
　　鶴澤花友
同　二十八番地　石橋クラ事
　　竹本鐘吉
同　　青濃千代事
　　鶴澤燕糸
西鳥越町三番地　高木ハナ事
　　竹本清春
同　高橋ハナ方　島村事
　　鶴澤春梅
小島町十番地花形清次郎方　花形セイ事
　　鶴澤小巴
同　九番地　佐藤セキ事
　　豊竹岡徳
西三筋五十番地　三木小タカ事
　　豊竹小緑
寿町廿五番地　平井キン事
　　竹本綱清
中島町四番地堀兼次郎方　森タケ事
　　竹本永之助
芝崎町五十番地　米村幸助事
　　竹本袖太夫
公園地六区一号三十四番地　吉住クニ事
　　竹本播梅
馬道五丁目十一番地　青柳キン事
　　豊竹駒子
同　青柳キン方　久我ヒデ事
　　豊竹相駒
馬道六丁目一番地　浅見ギン事
　　竹本駒代
同　七番地　中川庄右衛門事
　　豊澤団右衛門
同　六丁目十五番地中西伝吉方　五木田弥三郎事
　　豊竹喜佐太夫
同　九番地　吉田キン事
　　竹本一力
同　一番地木下卯之助方　同　トキ事
　　竹本駒千代
馬道六丁目三番地林豊二郎方　同　トメ事
　　竹本氏六
同　七丁目三番地　鈴木トミ事
　　鶴澤勇若
同　八丁目七番地筧政五郎方　安藤ムメ事
　　鶴澤梅玉
同　三番地吉本富次郎方　瀬石金太郎事
　　竹澤燕吾
同　一番地　伊藤平太郎事
　　野澤吉十郎
同　鈴木シマ方　永井サク事
　　竹本氏花　盲人
同　川崎惣太郎方　中塚伝五郎事
　　豊竹駒路太夫
同　中島伝五郎方　万代クニ事
　　竹本越六
同上　宮川アイ事
　　竹本綱愛
花川戸廿一番地五鳥林四郎方　熊野理一郎事
　　竹本識代太夫
田町一丁目二番地　中村ロク事
　　野澤語菊
新吉原京町一丁目三十五番地　正木丑之助事
　　竹本朝太夫
同上　正木方　式井小兵衛事
　　竹本源太夫
同上　林覚之助事
　　豊澤松三郎
同上　玉岡政二郎事
　　豊澤仙糸
同上　名古助三郎事
　　豊澤助三郎
同上　阿波藤七事
　　竹本阿蘇太夫
同　　尾崎升一郎事
　　竹本源子太夫
今戸町百二番地　山本キク事
　　竹本東満玉
同　十番地　加藤貞吉事
　　野澤語七
千束町二丁目百七十九番地吉川捨次郎方　吉川タケ事
　　竹本燕之肋
同　四百十九番地　橘夘之助事
　　竹本鯉太夫
同　三十四番地小西浅次郎方　酒井市太郎事
　　竹本舛太夫
同　三丁目百二十四番地　松永米吉事
　　豊澤仙八
同　八十二番地　上田トク事
　　竹本湊徳
新旅籠町一番地　上田サト事
　　竹本紋教
同　十四番地　渡辺ミヨ事
　　豊竹玉清
同　十五番地　松沢ギン事
　　鶴澤専吉
同　十七番地坂東昇二方　武川ヤス事
　　豊竹仙枝
同上　前田浅尾事
　　豊竹仙尾
元鳥越町四十七番地　秋月吉三郎事
　　竹本柳司
西鳥越町二番地高田八右衛門方　青柳トミ事
　　鶴澤清久
同　三番地野村伊三郎方　同　ヨシ事
　　竹本識燕
小島町十三番地　斎藤イク事
　　鶴澤花七
北三筋町五十六番地　横井市松事
　　竹本和国翁
小島町七十三番地　武石茂三郎事
　　竹本大江太夫
東三筋町十八番地　鷲ノ宮アグリ事
　　竹澤竜三
北富坂町十七番地杉本順三郎方　杉本ミ子事
　　竹本東代峯
三好町十番地　町田キワ事
　　鶴澤勇亀
同　一番地　鈴木シマ事
　　竹本氏八
同上　鈴木ヱイ事
　　竹本氏栄
同上　鈴木スゞ事
　　竹本氏鈴
同上　鈴木ホノ事
　　竹本氏駒
諏訪町廿番地　都築寅吉事
　　竹本都遊軒
同十二番地　安田源二郎事
　　豊竹駒司太夫
寿町五十一番地村上徳次郎方　津久根ロク事
　　鶴澤勇之助
東仲町二十一番地長谷川カマ方　成川テツ事
　　竹本氏鳴
同　二十六番地樋口己之助方　米津歌重事
　　竹本成尾太夫
田原町一丁目十四番地北条高賀方　原田悦蔵事
　　豊澤一八
同　一丁目十四番地　原田義則事
　　豊澤要一
同　一番地藤原弁次郎方　藤原チヨ事
　　竹本清勝
同　二丁目廿一番地　渡辺ワカ事
　　鶴澤弥八
阿部川町四十六番地池田豊吉方　同ワカ事
　　花沢扇六
同　九十四番地長沼清太郎方　長沼カ子事
　　花沢扇花
七軒町四番地　佐藤フサ事
　　竹本越房
同　七番地　上田幸一事
　　豊竹三国太夫
同　四番地　須田ムメ事
　　豊竹松緑
東清島町二十六番地竹内直二郎方　伊藤マス事
　　竹本むら勝
中島町八十二番地石野弥助方　中村タキ事
　　鶴澤清滝
同　四十二番地野田栄吉方　山崎クニ事
　　鶴澤吉清
同上　山崎ハマ事
　　鶴澤吉造
芝崎町五十番地　斎藤由太郎事
　　鶴澤光造
新谷町一番地野中馬造方　野中タ子事
　　竹本越栄
田原町三丁目六番地　小川ノブ事
　　野澤喜由
新畑町四番地渡辺吉方　渡辺サト事
　　鶴澤清里　盲人
同　二番地　石橋ツル事
　　竹本勝信
公園地六区三号五十九番地成川清吉方　五十嵐逸八事
　　鶴澤文太郎
同　二号四十七番地　今井太兵衛事
　　豊竹錦太夫
同　一号百番地　吉田タイ事
　　豊竹いろは
馬道一丁目五番地高橋藤七方　高橋定吉事
　　鶴澤弥生
同　一丁目二十八番地　鶴澤清次郎事
　　鶴澤喜之助
同上　大石キノ事
　　鶴澤清美
同　二丁目十二番地　永江清吉事
　　鶴澤仲吉
同　四丁目八番地　杉浦由之助事
　　竹本時松
同　廿番地　那須ヱイ事
　　花沢勘久
同　五丁目七番地　小柴市兵衛事
　　豊竹喜楽
同　十一番地　田辺重太郎事
　　豊竹九雀
同　桜井三之助方　桜井ムラ事
　　竹本越子
同　七丁目九番地　近藤ミツ事
　　鶴澤秀吉
同　八丁目一番地　幸岩文次郎事
　　鶴澤弥五郎
花川戸町二十三番地積田要蔵方　同　ナツ事
　　竹本子夏
同　三十一番地五島林四郎方　小熊源吉事
　　鶴澤文竜　盲人
同　二十三番地積田要蔵方　土谷栄次郎事
　　竹本半四
同　一番地増山銀二郎方　同　キシ事
　　豊竹燕菊
山ノ宿町十番地海野喜助方　朝倉カメ事
　　花沢三弥繁
同　四十二番地　島谷吉造事
　　竹本菖蒲太夫
猿若町二丁目二十七番地　松沢重吉事
　　花沢竜造
象潟町一番地　鈴木真三郎事
　　野澤喜知三
同　二番地　斎藤敬造事
　　竹本津賀造
同　五番地加藤己之助方　高宮スカ事
　　鶴澤文富士
新吉原揚屋町二番地　高橋小三郎事
　　鶴澤専糸
千束町二丁目三十四番地小西浅之助方　柴田兼八事
　　竹本司太夫
同　百八十七番地　柴田源七事
　　竹本織王太夫
同　百六十番地　佐々木カヂ事
　　鶴澤小錦
同　百七十二番地　関輪ミキ事
　　豊竹花吉
同　百四十三番地　間仲マサ事
　　豊竹わか
同　百二番地　山田フク事
　　竹本小よし
　
正誤
前号より掲載の内にて誤りし為めわざ／＼とお知らせありし人は左の如し、　
　
三十二ページにて
豊竹松太郎は豊澤松太郎
豊竹己之助は豊澤丑之助
豊澤氏栄は豊澤民栄
瓦町廿八番地西森常七方佐藤ヤスは福富町廿八番地佐脇ヤス
　
附言
この一目千人は各区役所に付いて調べしものなれど浅草区は府下中最も多く住む所とて一々目の届かぬものにや往々(まゝ)死去せしものまでも記しある故桃夭(わたくし)も十分注意はするものゝ目落ちなきにも限らねは皆さま御覧の上にて書落し又間違の事などあらは御手数ながら廿五日までに本社の編輯局へ宛て御しらせ下度候也、
　　係　桃夭
　
義太夫雑誌　２巻３号　明治28.7.15　p45
　
一目千人　　小春　
　　本郷側　
春木町一丁目三十七番地　福井ノブ事
　　花沢扇雛
同　廿七番地　森田伊吉事
　　鶴澤義之助
同　三丁目二十三番地　池川サカヱ事
　　竹本綾千代
金助町五十八番地　池川佐吉事
　　竹本咲太夫
同　四十二番地　小川春太郎事
　　鶴澤春太郎
元町二丁目六十六番地　小川クニ事
　　竹本紋久
真砂町廿八番地萩本栄三郎方　三浦タケ事
　　竹本文字竹
台町三十七番地奈良吉右衛門方　島村ナミ事
　　竹本小雪
同　五十四番地那須友吉方　小島カメ事
　　竹本梅造
田町六番地　鳥居友太郎事
　　竹本岩田太夫
湯島四丁目三番地　森田平一郎事
　　豊竹雪門
天神町二丁目十六番地小林亀之助方　井浦リキ事
　　竹本庄之助
同　三丁目三番地　本多ツマ事
　　竹本小土佐
同上　本多勘三郎方　加藤ジウ事
　　竹本土枝子
同上　秋田ヤヱ事
　　竹本小土八
東竹町三番地田中茂兵衛方　原田兵助事
　　竹本綾ノ太夫
根津宮永町二十七番地赤塚藤左衛門方　内田カツ事
　　竹本夏世
　
浅草側　　(補遺)　
新森田町五番地　藤本ウメ事
　　竹本熊梅
　
正誤
前号四十八ページ二段の豊澤松太郎とあるは松三郎の誤りなりし、
尚この外にも誤りしものあらは御手数(ごてすふ)乍ら一寸御報知あらむ事を御転居御改名の分も又おしられ下され度候
治兵衛