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【 なには言の花 】

(2021.10.10)
(2022.5.27)
提供者:ね太郎
 
なには言の花
 刊年不明 *:一部翻字できず
なには言の花 上るり太夫みたてすもふ
上上吉 竹本政太夫
師匠の名をつぎいづくへもうこかぬ要石
上上吉  同 紋太夫
いつ聞てもふし付のうつくしい玉川
上上吉 同 錦太夫
拍子合の名人と名ハいや高きふじおろし
上上吉 同 陸奥太夫
はなやかなひやうしにのつてくるあらむま
上上吉 同 文字太夫
さりとハおもしろふじゆうにまハる御所車
上上  同 宋女太夫
こへもろともにうきたつるしゝとび
上上  同 信濃太夫
どこやらにうまミがありまやま

三味線之部
上上吉  靍沢友治郎
いつきいてもおもしろいくもりなきひので山
上上  同 藤蔵
音しめぞしごくうつくしいきぬしま
上上  同 儀助
三すしのいとにつやのあるそめがわ

 人形之部
上上吉     吉田文三郎
名ハいづくまでもひゞきわたるいかづち
上上吉  同  金吾
しつとりとおちついた 大しま
上上吉  同  才治
いつミてもしつほりとするしづか
上上吉     山本伊平治
*取まハしの
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お休でも名のきこへハはてしなきゑそが嶋

右之外名人数たありといへども畧ス
大上上吉 陸奥此太夫
お名ハ四方にひゞきわたる大井川
上上吉 豊竹嶋太夫
しだい〳〵に御名ハかゝやくあさひやま
上上士 同 伊世太夫
めいる心もわつさりとわかさやま
上上士 同 百合太夫
ふしづけのうつくしいにしきやま
上上亠 同 升太夫
うれいにハそでをしぼるむらさめ
上上  同 友大夫
よい〳〵とのひやうばんハひゞくたきのおと
上上  同 鐘太夫
やがてなにはにゆびおりのいちもんじ
上上  同 加賀太夫
こへハどこまでもとおるたかまつ

三味線之部
上上吉 野沢喜八郎
お上手のばちおとしほらしい花がす見
上上士 靍沢平五郎
*ねじめのかわゆらしき まきぎぬ
上上 野沢清五郎
花やかにまわ  る  やぐるま
上上吉  竹沢善四郎
このミちにハこうをつミしおいまつ
人形之部
上上吉 豊松藤五郎
*めいじんとひやうばんハ なきちかの浦
上上吉 若竹藤九郎
*しゆうにおもわくをうつす しま
上上  同 伊三郎
*おもひ入のしう
[上上]------
*いつミても見あかぬ わかの
上上 豊松 弥三郎
しつほりとして角のないまるやま
 
 参考
 寛延1.10 仮名手本忠臣蔵興行中竹本座から豊竹座へ移動 此太夫 嶋太夫 百合太夫 友大夫 浄瑠璃譜
 陸奥此太夫 寛延2.9.23 筑前少掾受領
       寛延2.11『物くさ太郎』で、「豊竹筑前少掾藤原為政」と掾号受領披露。外題年鑑
  義太夫年表近世篇第1巻掲載時期[]内掲載頁
 山本伊平治 享保20.9[106] - 宝暦12.2 [318]
 竹沢善四郎 延享1.9[150] - 宝暦1.7 [222]
 鶴沢儀助[義助] 延享3.春[169] - 宝暦1.7 [221]
 野沢清五郎 寛延1.3[190] - 宝暦1.10 [224]