竹本 長子太夫

   
   
 
先頃竹本七五三太夫と倶に上京して錦輝舘に得意の咽(のど)を聞かしたる事なれば伎芸(うでまへ)の程は世の既に知る所なるが、坂地に在りても常に好評を博し居る丈の芸風、克(よ)く其師なる弥太夫の面影を写し、巧みに語りコナす伎芸は確かに将来弥太夫の名跡を襲(つ)ぐへき価値(あたへ)あるの太夫といふべし
【義太夫雑誌53:15面影抄】