野澤 吉春

   
   
 
嬢は昨年六月始て上京し、住之助の一座に加りて始めて小川亭に出席し爾来各座に加り花方として好評あり嬢齢(とし)正に二八、幼くして早く既に斯芸に志し十三才の頃始めて阪地南歌久席に出席して勘平切腹を語りぬ、在阪の頃は常に津、叶、対馬、吉兵衛、広助、源吉の諸名家に修業せしとぞ、其語物中好評あるは、玉三、安達、壺坂、沓掛、野崎等なりと、
【義太夫雑誌55:10面影抄】