竹本 巴勝

   
   
 
嬢は土佐吉と呼れし頃屡々本誌に評判を記したりしが、一度業を廃して休席せしより暫く噂を聞かありしに、昨年九月巴勝と改名して再び咲かす昔の花形、若手に彩る老練の腕前、吃又、赤垣、躄瀧(たき)、岩井風呂など頗る手に入りしものにて何時も好評を博するを以ても其芸品の如何は知り得べし、嬢が父は竹本成太夫と呼び、師は故人播磨翁にて幼より斯道に身を委ねたるもの好評また故なきに非るなり
【義太夫雑誌55:10面影抄】