竹本 春玉
女義太夫日本三玉(ぎよく)の一人として・・・盲人の女義としてその名隠れなき竹本春玉老嬢は一昨三十年の夏始めて上京し各席を打ち廻り、時代物を演じては確なる巾にデン通を喜ばせ、世話物を語りては優しき艶に素人耳を嬉しがらせたることは都下好デン家の親しく知る所なれば、其技芸の批評は今更いふも管なり、曩に嬢は春之助と供に門人一座を将(い)て殆んど全国の過半を打ち廻り、目下東海道を経て関西地方に向ひつゝありと
【義太夫雑誌49:14評判】