鶴澤 猿糸
目下の花方として好評なる花澤若之助を弾き、その冴えたる音艶(ねつや)、撥捌きの奇麗なる、花方の弾手としては適当の絃なり、若嬢が好評の多分は猿糸嬢の絃に配分せらるべき振合なるべし、時として、嬢が弾語りを聴く事あり亦以て傾聴の価あるべく、何れにしても都合よき好箇の芸品なり
【義太夫雑誌56:19面影抄】