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 【 石割松太郎 近世演劇雑考 】

(2007.05.18)

石割松太郎 近世演劇雑考(1934.9.21発行)をpdfファイル化したものです。

 

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 はしがき 
 目次 
001浄るりの「形式」と浄るりの「風」 一、形式と「風」との意味−「風」が操全体を支配し−技巧が操の総てゞある−風は操の生命線
二、浄るり五段組織が提唱された径路−十二段から六段が最初の形式-次が五段組織一古浄るりと当流−謡曲と浄るりの関係−加賀の正本と謡曲のゴマ−五段と西洋劇詩の関係−『竹豊故事』の記載−『雲錦随筆』の記載−千賀太夫の謂ふ「語りやうの心得」−能の五段組織説
三、序破急の本来の面目−言葉の意味−『学習条々』
四、机上の空論としての『忠臣藏』の五段組織-黒木氏の誤れる五段還元法
五、正しく実際の舞台に即した『忠臣藏』の五段組織への還元−書卸し当時の分割−後世の分割
六、「段」と「場」との 浄るりの位と「立端場」の意義−テクニックの説明−術語に内在する芸術的の根本義
七、各段の趣向とその語り口−各段の目安−その語り口−『音声巨細秘抄』から
八、五段組織の原則が確立するまで−浄るりの本体は時代物−一線を画する『出世景清』−「風」の発生−西風東風−政太夫節の大成は『国姓爺合戦』−その五段組織−立端場の存在
九、『夏祭浪花鑑』の一例−その五段組織−玉島の段の異例
十、浄るりの「風」といふ事−「風」は各段各場の格式也−「播磨地」−「駒太夫風」−「宮守酒」の一例−「沼津」の一例−端場と小揚−浄るりの芸術価値−浄るり批判の客観性
049人形三人遣ひの源流研究 人形の遣ひ方−突込遣ひ−三人懸りの始−その記録−山本飛騨掾−飛騨は何人−『棠大門屋敷』の記載−人形遣ひの受領−片手人形の様式の発見−古評判記の記載−飛騨の系列−吉田三郎兵衛−吉田文三郎−『例[倒]冠雑誌』の記載−片手人形の様式を認めて三人懸りの記載の再吟味−『北条時頼記』の画証−『愛染明王影向松』の再吟味−人形の大さ
069「操」における「人形」の研究 一、人形の種類と、こゝでの研究する範囲−操の古い意味−人形の種類−その特質−人形の分類
二、「突込」と「片手」との人形二様式−二つの様式の特質−突込人形と人形舞台の構造−片手人形と飛騨掾−人形細工人として−人形遣として−浄るり作者として−その様式−「片手人形」といふ言葉の変遷−片手人形−手妻人形、碁盤人形の意味−「人形に足を付けた」といふ意味とその解釈
三、人形の二様式は胎生期の昔から−『雍州府志』の記載と「人倫訓蒙図彙」の異つた二つの画証−『好色一代男』の上幕つらかくしの意味
四、「三人遣」の源流は「片手人形」−三人遣ひで記憶すべき近本九八郎の『時頼記』出演
五、「三人遣」の工夫者は桐竹門左衛門と近本九八郎−偶然の機会の工夫−丸胴から助手へ
六、人形機構の工夫と肩板の発生−記載のない肩板に注意を向けよ
七、吉田文三郎その他名人芸−現在の舞台に残る片手人形の余蘖−それは「ツメ」の人形
097吉田文三郎の初代と二代 人形の大成者−『人倫重宝記』の記載−その画証−文三郎の生立−文三郎五度の反逆−座本竹田近江の弱腰−文三郎の一生涯の生活の目安−文三郎の給金に近松の給金を加算−文三郎の死期死因の疑問−二代の文吾−その墓碑−名誉の景事−伝統の便りなさ
117人形遣ひが台詞を言うた時代 チョボの嚆矢−人形遣のひ辞−角太夫の『大念仏七万日詣』
123浄瑠璃雑話 故なき古格の破潰−「酒屋」のアトの問題−サハリとクドキ−その正しき意味−その実例 床本の質入−織太夫の「牢屋」−入質の証文−その床本−左官の綱太夫−街に起つた逸話 −綱太夫目の上のコブ−『佐倉曙』の価値−新作と作曲の問題−綱太夫の土佐の「牢屋」の人気
139勾欄雑話 文楽を見に行く−その言葉の意味と時代の変遷−大衆は耳よりも目−竹本座更生の宝永二年の事実−突込人形と片手人形−「ツメ」の人形−三昧線の発達−糸の目方−三絃工石村東助の工夫−鉛ゴメの駒−撥皮−団平の前後の二期−改革と保守−境目は明治十四年十一月−越前風と駒太夫風−羨しい大衆の耳−越路と団平の分離
163文楽夜話 博識的の団平の芸−家庭人としての団平−経済的に見た団平−団平後妻ちか女との馴れ染め−太夫と人形遣の見解の相違−津太夫の帯屋と玉造時代−名人辰五郎−その芸幅−紋十郎の出世芸−文五郎の『太十』の型−名人喜十郎−と、その槍−吉田錦糸の『古八』−人形部屋の符牒−ゲンマの仕掛物
183勾欄雑考 浄るりと劇場の構造−東京人と浄るり−義太夫はヤボ−五代目春太夫の話−大隅太夫の非常識−摂津の土佐興行−江戸庄の割腹−その追善興行−鶴澤重造の先代−文楽座の玉筋の系圖−初代玉造の狐
201豊澤団平の研究 浄るりの研究は近松ばかりでは分らぬ−『壼坂』の出来るまで−その原作と第一回の原作−この作の枕の作者−団平の古い浄るりに対する対度−風の発生と推移−団平越路分離の奥に潜める事情−その記録の語るところ
229浄るり「曲風」の発生と、今日批判の標準 古典の繰返へし反復−「標準の耳」−風の成立から観て−竹澤権右衛門の晩年からの推考−「沼津」の作曲の実例−この作曲の歴史を知らずして批判がなるか
243『久右衛門日記』に読む操史の貴重資料 尾戸焼の陶工久右衛門の日記の発見−御振舞、酒奉行の記事−太夫の連名−伊勢大掾の通称−「さつま」と「江戸さつま」−「小平太」とは?−「熊野」は紀州でなく堺の熊野町−島津侯と甥の関係−島津と薩摩太夫の関係−人形品目の不審−浄るりの立て方−狂言の配置
257院本『八百屋お七江戸紫の存在』 大阪図書館の『江戸紫』−紀海音の『八百屋お七』の再吟味−『恋緋桜』と同一?別の丸本?−竹本喜太夫の検討−竹澤権右衛門−『江戸紫』の刊記と太夫連名の教ゆる事実−辰松八郎兵衛座の興行−二代の八郎兵衛−『音曲猿轡』の記載−手妻太夫の意義
277「揚巻助六」心中の系統 『大阪助六心中物語』の存在−この書の特異の五点−この書の形式−「揚巻助六」と呼ぶ物語の従来に知られたる十点−『千日寺心中』の存在−『蝉のぬけがら』との相違点−『大阪助六』の心中みちゆきの全文−『千日寺心中』の竹本内匠利太夫とは?−「揚巻助六」心中系統一覧
293「天和三年」と刊記せる脚本『浮かれ狂言』の存在 守随氏のいふ『好色伝授』−『浮かれ狂言』の体裁−この書の口上−作者山本遊学−場割−役人付−「読む脚本」?−『好色伝授』との比較−筋−ト書形態−チヨボの嚆矢?−その説経節の本文
317異本『傾城仏の原』 内田魯庵氏の愛蔵本−近松の『仏の原』−異本との比較−俳優替名−水島四郎兵衛とは何者?−『役者略請状』の記載
329「鳥熊」の春木座興行の記録 鳥熊の素性−東京春木座の新興行法の実施−その興行月表−「春木座の規則」−再度の興行月表−役者の出入−鳥熊の没落理由
347舞台照明に電光を用ゐた始 明治十七年五月道頓堀の中の劇場−発動機は千日前の竹林寺に−その宣伝文−『艶競華咲方』の歌詞−囃子の発達
357日本最初の沙翁劇の番付について 明治十八年五月の道噸堀戎座の『ベニスの商人』の翻案『何櫻彼櫻銭世中』−シヤイロックは中村珀琥郎
361都萬太夫その他 都萬太夫の素性−『可盃』の記載−萬太夫の口宣案−『道成寺』の道行-佛の原の後日
 奥付 

 

提供者:ね太郎